――そういう所作って、覚えておいたら日常の生活でも役立ちそうですね。

チャンスがあれば「畳掃除の仕方」の正しいやり方を披露して、自慢したいですね(笑)。あと、東映京都撮影所のしきたりとして「自分の着た衣装は自分で畳む」というのがあって、(山本)千尋ちゃんと2人で「畳み方これで合ってるかな?」と言いあいながらやっていました。

――律花と明里咲が町に出て料理の材料などを買ってまわるシーンは、戦いに明け暮れる律花の束の間の"平穏"を見せるという意味でも重要でした。

あのお買い物シーンは、背負っているカゴの中の荷物が重くてたいへんだったんです。私はてっきり、軽い荷物を入れて重そうに演技をすればいいのかなって思っていたんですけど、ほんとうにたくさんのダイコンが入ってて、重さで背中が反ってしまいました。でも、演技じゃなくてほんとうに重かったので、画面にはリアルな感じで映ってるんじゃないでしょうか(笑)。あと、千尋ちゃんが背負っていたカゴにはコンブが入っていたんですけど、匂いがきつくて撮影中は2人して困っていました。カメラが止まるたびにお互い「コンブ~!」って嘆き合ってたんです。

――明里咲の出番の中で、特にお気に入りのシーンがあったら教えてください。

劇中で、明里咲が律花と宮が帰ってくるところを明里咲が"出迎える"ところがあるのですが、そのシーンを撮ったとき周りのみなさんから「朝ドラ感があるね」って言われたんです。どうも、そこがいちばん"平和"な雰囲気だったようで、千尋ちゃんからも「安心するわ~」って言ってもらえたので印象に残っています(笑)。でも、今回は初めて体験することばかりで、上手く演技ができたかな、と思える状態ではなく、ずっと緊張していましたね。もう、ひとつひとつのカットをこなすので精いっぱいで、終わったら頭が真っ白になっていました。いまふりかえると、何も考える余裕がなかったのかな~って思います。

――京都撮影所での坂本監督は、東京でお会いするのと印象が違っていたりしましたか?

京都の坂本監督は、ちょっと厳しかったですね。すごく気合いが入っていたように見えました。「ハミィちゃ~ん!」とニコニコしながら声をかけてくださるいつもの坂本監督とは違って、カッコよくキリリとされていました。坂本監督の新たな一面を知った気がして、私自身も気持ちが引き締まりましたね。

――今回の明里咲は、まさに大久保さんにしか演じられない"明るさ"と"癒し"のキャラクターでしたが、今後大久保さんが時代劇で演じてみたい役柄があったら、ぜひ教えてください。

今までずっと明るくて優しい女の子の役が多かったので、機会があれば悪役だとか、クールな女性の役にもチャレンジしてみたいです。

――とてもいいと思います! それでは最後に、映画『BLACKFOX: Age of the Ninja』の見どころを一言、お願いします。

律花を演じる千尋ちゃんのアクションがいちばんの見どころだと思います。撮影の合間に、千尋ちゃんがアクション練習をしているところの動画を見せてもらったことがあるんですけど、もう人間技じゃないスピードだって思いました。最初から最後までものすごいアクションの連続ですので、ぜひご覧ください!

(C)PROJECT BLACKFOX Age of the Ninja