NHKの大河ドラマ『いだてん~東京オリムピック噺(ばなし)~』(毎週日曜20:00~)で、田畑政治(阿部サダヲ)がめでたく同僚の酒井菊枝(麻生久美子)と結婚し、1940年の東京オリンピック招致を目標に、ますますハッスルしていく。今後、奥ゆかしい妻・菊枝の内助の功が気になるところだ。阿部サダヲにインタビューし、麻生久美子との撮影秘話や、9月1日放送となる第33回の見どころを聞いた。

  • 阿部サダヲ、麻生久美子

    田畑政治役の阿部サダヲ(左)と妻・菊枝役の麻生久美子

どうやらオリンピック候補地として有力なのは、イタリアのローマらしい。嘉納治五郎(役所広司)の鶴の一声で、田畑たちは、あのファシズムで知られるムッソリーニに「オリンピックを譲ってもらえないか」と、直談判をしに行くことに。肝心の治五郎が腰痛でダウンしたため、元貴族院議員の副島道正(塚本晋也)と、元国際連盟事務次長の杉村陽太郎(加藤雅也)、田畑がムッソリーニに会いに行く。果たして田畑たちは、治五郎の無茶ぶりともいえるミッションに、どう挑んだのか?

――ようやく菊枝さんと結婚した田畑さん。これから夫婦の会話が増えていきそうでしょうか?

そうですね。菊枝さんは結婚する前に、会社で遅くまで残って一緒に働いてくれたりしていたんですが、田畑はあまり彼女の声を聞いていなかったですよね。これからは、家庭のシーンでしゃべることが多くなると思います。

――麻生さんと共演してみていかがですか?

麻生さんは、一緒にいるだけでやさしい気持ちになれる方。ただ、菊枝は、田畑が面白いことをしゃべっても全く笑わないという設定なんです。それなのに大根監督は、僕に「菊枝を笑わせてくれ」という指示を出します。でも、麻生さんには「絶対に笑わないでくれ」と言うんです。結局、僕はアドリブで笑わせようとしましたが、あれは使われなかったかな。笑っちゃいけないシーンなのに、麻生さんが笑うまでやってしまいましたから(苦笑)。

――菊枝さんはガハハと笑うことはない感じの、奥ゆかしいやまとなでしこ的女性ですね。

すごくいい奥さんです。あまり会話はしないですが、田畑のことをすごくよくわかっているというか、よく気がつく人だと思います。まさに、昔の日本の女性はああいう感じだったのかなと。

――ちなみに、麻生さんの素顔は、どんな方ですか?

麻生さんは壁などを作らない人だし、共通の知り合いも多いので、いろいろな話をしてくださいます。こんなにがっつり共演するのは初めてなので、楽しませていただいています。

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――オリンピックに懸ける思いは、田畑さんも治五郎さんと同じくらい熱いですね。

「こんな(暗い)時代だからこそオリンピックをやるんだ」と言ったりするところは、2人とも似ているなと思います。ただ、治五郎さんは何も持たずに気持ちだけで行くけど、田畑は「こうなったのならこうしたほうがいい」と、相手を理詰めで納得させてからいくパターンもけっこうあると思います。

――確かに、治五郎さんは勢いで行く感じですね。ムッソリーニに対してもかなり強気な発言をされていました。

治五郎さんはすごいです。ムッソリーニに対して「オリンピックを譲ってくれないだろうか」と言うとか、軽い気持ちで提案したりするし。しかも、実際に譲ってもらうための直談判に行くことになるので、そこは本当にすごいなと思いました。

――今後の見どころについても聞かせてください。

オリンピックでロスやベルリンなど各国へ行くじゃないですか。ロスは英語ですが、IOC会長のラトゥールさんが登場すると、フランス語やオランダ語を話すし、ベルリンはドイツ語ですから、現場で外国語が飛び交い、すごいことになっています。

演じる役者も何か国語かを話せる人が多いです。たとえば、杉村さん役の加藤雅也さんは、フランス語や英語を話せますし。だから33回は、僕なんてほとんど見ているだけの回でした。塚本晋也さん演じる副島さんも治五郎さんも英語をしゃべっていますが、一貫して田畑は英語をしゃべれない(苦笑)。外交をやっているのにそうなんだから、本当にすごいですね。このあと、星野源くんも英語をしゃべるらしいので、僕としてはほっとしています。

■プロフィール
阿部サダヲ(あべ・さだを)
1970年4月23日生まれ、千葉県出身の俳優、歌手。大人計画所属。大人計画の俳優らとバンド「グループ魂」を結成し、ボーカルの「破壊」としても活動。2007年、『舞妓Haaaan!!!』で映画初主演し、第31回日本アカデミー賞優秀主演男優賞を受賞。2010年のNHKドラマ『離婚同居』で連続ドラマ初主演。映画の近作は『音量を上げろタコ!なに歌ってんのか全然わかんねぇんだよ!!』(18)。

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