6人組ダンス&ボーカルユニット 超特急が8~9日、パシフィコ横浜(神奈川県)にてワンマンライブ「BULLET TRAIN SPRING/SUMMER TOUR 2019 「EUPHORIA 〜Breakthrough, The Six Brave Stars〜」を開催した。

  • 超特急

チケットが“秒速完売”したという今回のライブ。開演前から大きな熱気と期待感に包まれていたが、突如ライブ5分前、メンバーによる案内アナウンスが流れ出し、客席からは大きな歓声が上がりだす。リョウガ(船津稜雅)自慢の“イケボ(美声)”による案内に始まり、大きな声で一生懸命(時に噛みながら)読み上げ会場の笑いを誘うカイ(小笠原海)、「放送部のタクヤさん~」とカイから繋がれたタクヤ(草川拓弥)は読み上げる度に「はい、返事!」とドSっぽく観客に返事を促すなど、自由でメンバーの個性たっぷりなアナウンスに観客から何度も大きな笑いが起こっていた。

会場の空気が解れ、さらに大きな期待感が会場を満たす中、オープニングイントロが響き出し、ステージ上に一気に大きな注目が集る。一瞬の静寂の後、メンバーが登場したのはなんと客席。観客は突然近くに現れたメンバーに驚き、あちこちで大歓声が響き渡る。

今回のライブは“8号車”にちなみ“8”という数字がついた日も含めて行われた事から「1年に1度の8の日、最高の記念日にしようぜ!」とユーキ(村田祐基)が呼びかけると、「大切な日にしていきましょう」とタカシ(松尾太陽)、そしてカイが「声、出していきましょう!」と観客へ呼びかけると、1曲目「Burn!」がスタート。メンバーは、観客1人1人と挨拶をするように、3階まである会場をくまなく走り回る。

この曲を皮切りに「No.1」「超えてアバンチュール」「Booster」「Hey Hey Hey」と5曲を続けて披露。いずれも激しいヴォーカルとダンスを有する曲だが、会場を走り回っていたとは思えないくらい、全力でキレのあるダンスと力強いヴォーカルを見せ続ける。

こうした中にも「超えてアバンチュール」では、超特急らしい面白さや愛嬌がたっぷり。歌唱中、リョウガに手を引かれたタクヤは両手で丸を縦に繋いで“8”の字を作り、目をきゅっと瞑って「8号車!」と可愛らしく叫び、これを見たリョウガも驚いたようで「これやった!」とタクヤの手の形を真似をしだす。またユーキも「君がいなきゃなんだ」という歌詞の時、手をポンっと叩き、手を合わせる可愛らしいアドリブを見せ、ユーキファンが赤いペンライトを回し盛り上がる姿を見せていた。

なお、超特急は“ダサかっこよさ”や“面白さ”が特徴の1つでもあるが、その基盤にあるボーカル力、ダンススキル、チームワークから来るグルーヴ感など“ダンスボーカルグループ”としての確かな実力も見逃せない。「Booster」では可愛さと激しさ、クールなラップとダンスが混在したパフォーマンスを見せ、今回のツアーテーマ曲でもある「Hey Hey Hey」ではビートの効いたファンクチューンを、伸びのあるヴォーカルとダンスで表現。様々なジャンルの楽曲も自分たちの味方にし、ダンスボーカルパフォーマンスをしっかり堪能させてくれる。

MCタイムでは、休養中のユースケへの演出も

一気に5曲を終え、MCタイムへ。毎回各メンバーが自己紹介を行うが、現在休養中でライブに出る事ができなかったユースケ(福田佑亮)の番になった際、突如モニターに後光が現れ、ユースケの顔写真が映し出される演出が。これを見て「降臨したな!」とメンバーが盛り上がると、タカシが「神スケですね」とポツリ。すかさずリョウガも「イタリアン系のファミレスの天井にいる、女神みたいな……」と話すと、それを受けたカイが「ビーナスケだね」と口にし、テンポの良い“ユースケイジリ”トークが展開される。

その後、今回の横浜のライブは8にちなんだ“大切な記念日”に行えたという話題になり「幸せですね」と想いを語りだすカイ。しかし途中言葉を噛んでしまい慌てた様子を見せるが、すかさずリョウガが「幸せすぎて噛んじゃったね」さりげなくフォローし、和やかな笑いが起こる。

「僕たち超特急と、最高の夏を、最高の日にしましょう」と会場へ呼びかけると、夏らしい明るいポップチューン「Make it hot!」がスタート。サングラスや、浮き輪など、それぞれ夏をイメージした小道具を身に着け、わちゃわちゃとステージに登場したメンバーたち。その後、大きな風船がステージに運び込まれ、「一緒に遊びましょう!」とユーキが呼びかけると巨大風船が客席に投げ込まれ、メンバーも観客の上を跳ねる風船の様子を楽しそうな様子で追いかける。なおステージの戻った風船を、ささっとタクヤが拾い、両手で頭の上に掲げて持ち上げ、小走りでステージ袖に片づけに行く一幕も。

その後「up to you」では小悪魔的なセクシーさを、「超越マイウェイ」では激しいパフォーマンスを見せ、これまでの雰囲気とは異なる“攻める”側面を見せ、観客を翻弄。「アツくなってきたね! でも、もっと熱くなれると思うんだけど……どうなの!?」とユーキが挑発するように絶叫をすると、会場のボルテージは更に上昇。「shake body」「Drive on week」「Secret Express」と激しさ・スピード感のある楽曲が続き、観客を煽り続ける。

その後、一転してメロウな「Fashion」となるが、ここでメンバーとステージの雰囲気が一気にガラッと変わりだす。タカシの甘い歌声で奏でられるラヴソングに合わせ、ダンスメンバーによるソロ・デュオ・フォーメーションなど様々な形のダンスが、美しく、鮮やかに展開される。

ここでステージのモニターにペンライトを消すよう指示が現れると、プロジェクションマッピング、レーザーとメンバーのパフォーマンスが組み合わさった“エンターテイメントショー”タイムへ。レーザーとメンバーの動きが一糸乱れぬ様子で展開され、レーザーの動きに合わせてダンスをしたり、手に持るように操るなど、まるでその様子はイリュージョンのよう。ライブの魅力とはまた異なる、ショー要素たっぷりな見ごたえあるステージを披露してくれた。「We can do it!」では、影のあるライティングの中、悩まし気な目線や身体の動きの中、切れのあるダンスとハードなボーカルで観客を挑発しながらも、魅了をしていく。

続けて、切なくメロウなラヴソング「need you」へ。タカシの心に突き刺さるような憂いを帯びた、美しい高音に合わせ、激しくも切なさを感じさせるダンスを展開。感情たっぷりに楽曲の世界観を表現していく。