1日400トンの鶏糞が「電力」に!? 骨や鶏ガラまで使い切る岩手の鶏肉メーカーのすごい仕組み
株式会社ジャパンエフエムネットワークが制作する全国JFN系列22局ネットで放送中のラジオ番組「となりのカイシャに聞いてみた!supported by オリックスグループ」。意外とあなたの近くにある、地元で活躍するカイシャ。「そこに辿り着くまでの話」や「事業への想い」など、明日へのヒントになる話から、お気に入りスポットまで、地域に密着してお届けする企業応援ビジネスバラエティプログラムです。パーソナリティは小堺翔太が務めます。今回は、エフエム岩手で放送中の「アクセル」木曜パーソナリティの磯水菜がパートナーを担当。

8月15日(土)の放送では、先週に引き続き、株式会社十文字チキンカンパニーの取締役 支援部長の十文字開紀(じゅうもんじ・はるき)さんをゲストにお招きして、鶏を無駄なく活かす取り組みについて話を伺いました。

(左から)パーソナリティの小堺翔太、株式会社十文字チキンカンパニー 取締役 支援部長 十文字開紀さん、アシスタントの磯水菜(エフエム岩手)

◆外の世界で得た学びを故郷の家業へ

株式会社十文字チキンカンパニーは、岩手県二戸市を拠点に全国の鶏肉生産量の約8%を占める食品メーカーです。東日本ではナンバーワンの生産シェアを誇り、岩手県から全国各地へ鶏肉製品を届け、日々の食卓を支えています。その創業家に生まれたのが、取締役 支援部長を務める十文字開紀さんです。2025年5月に岩手県へUターンし、家業である十文字チキンカンパニーで働き始めました。

大学進学を機に上京した十文字さんは、大学卒業後、食肉業界の大手企業に4年間勤務しました。最初の2年間は子会社で輸入業務を担当し、その後の2年間は国内営業に携わりました。

現在の十文字チキンカンパニーが、生産を中心とした「川上」に近い事業を担っているのに対し、前職ではより消費者に近い「川下」での販売の仕事を経験。食肉業界の異なる領域で働いたことで、外の世界に出たからこそ得られる学びがあったといいます。

また、地元を離れて仕事をしたことで、二戸市の良さをあらためて実感することもできました。「外の世界を経験しないと得られない学びって、やっぱりあるんだなと感じました」と振り返りながら、同時に故郷の魅力にも気づいたことが、Uターン後の仕事にもつながっています。

一方、2025年に27歳で岩手へ戻った際には、期待よりも不安のほうが大きかったといいます。前職では主任試験を受けたばかりというタイミングでしたが、家業に戻ると「取締役」という役職がつきました。経験もまだ十分ではない中で、いきなり会社の役員になることに戸惑いもあったと十文字さんは明かします。

それでも実際に仕事を始めると、肩書き以上に大切なことに気づいていきます。役職は違っていても、目指しているところは同じであり、「同じ志を持った社員」と感じるようになったそうです。「私の力不足をたくさん補っていただいて、助けていただきながら仕事しています」と、感謝を伝えました。

◆鶏糞も骨も無駄にしない循環型の取り組み

十文字チキンカンパニーには、ひよこの生産・ニワトリの飼育を担う「生産部」、鶏肉を加工する「製造部」、販売を担当する「営業部」のほか、衛生管理を行う「品質部」、鶏糞の処理や設備保全を担う「環境部」、社員の働く環境を整える「支援部」の6つの部署があります。

社内の雰囲気について、十文字さんは「非常にオープンで風通しがいい」と説明します。若手もすごい活発」だといい、仕事をするうえでは「5S」を大切にしています。整理・整頓・清掃・清潔・しつけの5つを徹底し、職場環境を整えることで、よりよい仕事につなげる考え方です。食品メーカーとしての品質意識に加え、無駄を省くという意識にもつながっています。

その考え方は、環境問題への取り組みにも表れています。ニワトリの飼育によって1日に約400トン発生する鶏糞を燃料に、バイオマス発電を実施。本州で唯一の鶏糞を燃料とした発電施設で、一般家庭約1万世帯分に相当する電力を発電しています。

約10年前に九州の先進事例を視察したことをきっかけに発電所を建設。現在は発電した電力を売電しており、十文字さんは「鶏糞処理ってこれまではコストだったのが、今度はリターンというか、売上になって還ってきている」と話します。

さらに、鶏肉を解体した際に残る骨や鶏ガラもスープの原料として活用しています。山形県の丸善食品工業とタッグを組んで「株式会社十文字丸善スープ」を設立し、鶏肉を余すことなく活かしています。

地域との交流にも力を入れ、地元の小中学生を対象とした食育交流事業や、学校給食への食材提供を実施。2025年には、自社ブランド鶏「菜彩鶏」を5,280食分提供しました。菜彩鶏は、飼育後期に動物性たんぱく質を使わず、完全ベジタリアンな飼料のみで育てています。飼料を工夫することで鶏肉の臭みを抑えており、十文字さんは「味の風味が全然違います。餌で変わりますね」と、その特徴を語りました。

「となりのカイシャに聞いてみた!」は、記念すべき150回を迎えました。2023年10月に東北エリアで放送がスタートし、2024年4月には中国・四国へ、2025年4月には九州と北海道へと放送エリアを拡大。番組の原点でもある東北で150回を迎えたことに、小堺は「とてもうれしく思います」と喜びを語ります。また、企業の社長をはじめ、さまざまな出演者との対話を通じて、小堺自身も多くのことを学んできたといいます。これからも、番組を通して得た気づきをリスナーと共有しながら、「番組自体ももっと大きくしていけたら」と意欲を示しました。

<番組情報>

番組名:となりのカイシャに聞いてみた!supported by オリックスグループ

放送エリア:TOKYO FMをのぞくJFN全国22局ネット

パーソナリティ:小堺翔太

番組Webサイト:https://jfn.co.jp/lp/tonarinokaisha/

番組公式X:@tonarinokaisha

番組公式Instagram:@tonarinokaisya