■『セミオトコ』 金曜23時15分~ テレ朝系

木南晴夏

出演者:山田涼介、木南晴夏、今田美桜ほか
寸評:岡田惠和の脚本で『イグアナの娘』『泣くな、はらちゃん』を思わせるファンタジックラブストーリー。アニメのような設定とアイドル主演で敬遠する人も少なくないが、人間の純粋さと残酷さをピンポイントで突く物語は継続視聴の価値アリ。深夜より夕方の放送向きかも。
採点:【脚本☆☆ 演出☆☆ キャスト☆☆ 期待度☆☆】

■『Iターン』 金曜24時12分~ テレ東系

ムロツヨシ

出演者:ムロツヨシ、古田新太、田中圭ほか
寸評:ダークかつバイオレンスな設定ながら、きっちり笑わせるのは3人の地力。メジャー作では優男の役も多いが、「これぞムロ、古田、田中の生かし方」と思わせる。大胆ながら抑えの効いた映画のような演出は内田英治監督らしく、レイトショーを見ているような雰囲気も。
採点:【脚本☆☆ 演出☆☆☆ キャスト☆☆ 期待度☆☆】

■『ボイス 110緊急指令室』 土曜22時~ 日テレ系

唐沢寿明

出演者:唐沢寿明、真木よう子、増田貴久ほか
寸評:「助かるかどうか」のハラハラドキドキに賭けたド真ん中のタイムリミットサスペンス。「3分で現場到着、5分で現場確認、10分で検挙」という設定からのカウントダウンに心拍数を上げられる。要の「ボイス」を担う真木の活舌と、唐沢の演じる刑事の無能ぶりに賛否。
採点:【脚本☆ 演出☆☆ キャスト☆☆ 期待度☆☆】

■『べしゃり暮らし』 土曜23時15分~ テレ朝系

間宮祥太朗

出演者:間宮祥太朗、渡辺大地、矢本悠馬ほか
寸評:スピード感と勢い重視の展開は、行間を楽しむ原作漫画とは異なるドラマらしい仕上がり。芸人・劇団ひとりの演出に応えようと奮闘する俳優たちの熱さに引き込まれるが、問題は回を追うごとに漫才のレベルを上げられるか。B’zの主題歌で締めるエンディングは痛快。
採点:【脚本☆☆ 演出☆☆☆ キャスト☆☆☆ 期待度☆☆☆】

■『だから私は推しました』 土曜23時30分~ NHK

桜井ユキ

出演者:桜井ユキ、白石聖、細田善彦ほか
寸評:『ゾンビ』『腐女子』と秀作続きの『よるドラ』に、名脚本家・森下佳子が参戦。アラサーOLと地下アイドルの陰をシンクロさせた物語は、手の届きそうなリアルさであふれている。桜井、白石の注目女優2人のキャスティングセンスも抜群で、序盤は非の打ちどころなし。
採点:【脚本☆☆☆ 演出☆☆☆ キャスト☆☆☆ 期待度☆☆☆】

■『ノーサイド・ゲーム』 日曜21時~ TBS系

大泉洋

出演者:大泉洋、松たか子、上川隆也ほか
寸評:「暑苦しい」と言われ続けた『日曜劇場』風の演出は抑えめで、ラガーマンの純粋さを全面に。スケール感のあるロケは健在な上に、大泉と松が持つ芯の強さと抜け感が心地いい。W杯を控えたタイムリーさに加え、女性向けの作品が多い中、男性層のニーズに応える心意気。
採点:【脚本☆☆ 演出☆☆☆ キャスト☆☆☆ 期待度☆☆☆】

■著者プロフィール
木村隆志
コラムニスト、芸能・テレビ・ドラマ解説者、タレントインタビュアー。雑誌やウェブに月20~25本のコラムを提供するほか、『週刊フジテレビ批評』などの批評番組にも出演。取材歴2000人超のタレント専門インタビュアーでもある。1日のテレビ視聴は20時間(同時視聴含む)を超え、ドラマも毎クール全作品を視聴。著書に『トップ・インタビュアーの「聴き技」84』など。