JR東海は24日、東海道新幹線におけるセキュリティ向上の取組みに関して、東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会などを見据え、さらなるセキュリティ向上を図ると発表した。

  • JR東海が東京オリンピック・パラリンピックなどを見据えた東海道新幹線のセキュリティ向上の取組みについて発表

東海道新幹線では乗客の安全を確保するため、駅や車内、重要施設への防犯カメラ等の設置、線路等への防護柵の設置、警備員による巡回警備などでセキュリティ確保に取り組むとともに、警察・消防等の協力も得ながら厳重な対策が講じられている。

今回、駅防犯カメラと新設する管理センターのネットワーク化、車内防犯カメラと指令所のネットワーク化、グループ通話システムの導入範囲を警備員へ拡大、指令所から列車への車内放送を可能にすることの計4つの取組みが発表された。

新幹線全駅の防犯カメラと新たに設ける管理センターをネットワーク化し、カメラ画像を管理センターに集約することで、各駅で駅員の目の届きにくい箇所も含め、一元的に監視できる体制を整える。指令所においても、駅防犯カメラの画像を用いた状況把握により、迅速な対応が可能になる。2020年5月に運用を開始する予定で、来年度以降は非常時に警察に駅防犯カメラの画像を伝送する設備も整える予定としている。

指令所にて個別の列車における車内防犯カメラ画像を取得できるようにするほか、車内で非常ボタンが扱われた場合も車内防犯カメラの画像を指令所へ自動伝送することにより、迅速な対応が可能に。2020年3月から順次、運用を開始する予定という。

乗務員やパーサー、指令員のスマートフォンに導入しているグループ通話システムは、警備員のスマートフォンにも拡大。不測の事態が発生した際、乗務員らと即時に情報共有を行うことで、初動対応の迅速化をはじめ、一致協力した対応を強化する。運用は2019年9月に開始する予定となっている。

指令所から列車への車内放送を可能にする試みも行い、指令員から個別の列車の乗客へ直接の車内放送を行えるようにすることで、不測の事態が発生しても乗務員が避難・誘導等の対応に専念できる体制を整える。2019年9月から運用開始予定とのこと。