円谷プロが製作を手がけ、テレビ東京系全国ネットで放送されている"ニュージェネレーションヒーローズ"と呼ばれる新時代のウルトラマンシリーズとしては第7作目にあたる『ウルトラマンタイガ』が、2019年7月6日より放送スタートした。

  • 井上祐貴(いのうえ・ゆうき)。1996年生まれ。広島県出身。第42回ホリプロタレントスカウトキャラバン2017で審査員特別賞を受賞。ブロードウエイミュージカル『ピーターパン』(2018年)で俳優デビュー。これまでの出演作品は映画『ニセコイ』(2018年)。『ウルトラマンタイガ』(工藤ヒロユキ役)は、初の連続ドラマ主演作となる。撮影:宮川朋久

昨年(2018年)の『ウルトラマンR/B(ルーブ)』では、湊カツミ、イサミの兄弟がそれぞれウルトラマンロッソ、ウルトラマンブルに変身して怪獣と戦う"兄弟ウルトラマン"という設定がファンの注目を集めたが、新しく始まる『ウルトラマンタイガ』では、ヒーローであるウルトラマンタイガが、1973年に地球で悪い怪獣や宇宙人を相手に大活躍した『ウルトラマンタロウ』の"息子"であるという、驚きの設定が用意された。さらには、主人公である工藤ヒロユキがウルトラマンタイガ、ウルトラマンタイタス、ウルトラマンフーマという3体の個性的なウルトラマンの力を怪獣や宇宙人との戦闘状況に応じて使い分けるといった、意欲的な設定が盛り込まれている。

すでに地球上に宇宙人が密かに移住してきている社会で、民間の警備組織「E.G.I.S.(イージス)」に就職し、日夜平和のために働いている工藤ヒロユキだが、なんと彼には、本人も知らない大きな秘密が眠っていた。それは彼の体内に、ウルトラマンタイガの"光の粒子"が眠っていることだった……。

ここでは、主人公・工藤ヒロユキを演じる俳優・井上祐貴にインタビューを敢行。『ウルトラマンR/B』の後を受け、子どもたちの憧れのヒーローとしてこれからどのような活躍をしていくのか、やる気と希望に満ち満ちた井上から『ウルトラマンタイガ』のアピールポイントや、ヒーローを演じることについての心がまえを聞いた。

――現在23歳の井上さんですが、子どものころに好きだったウルトラマンは誰でしたか?

『ウルトラマンコスモス』(2001年)が大好きでした。『ウルトラマンティガ』(1996年)や、他のウルトラマンも好きでしたが、いちばん記憶に残っているのがコスモスですね。

――そういえば、コスモスに変身する春野ムサシを演じる杉浦太陽さんが着用していた青い衣装と、いま井上さんが着ているE.G.I.S.(イージス)のユニフォームには、どことなく共通するイメージがありますね。

杉浦さんには料理番組のゲストに呼んでいただいたときに、いろいろとお話をうかがいました。

――ウルトラマンの先輩である杉浦さんと、どんなお話をされたのですか?

ほとんどがウルトラマンの話でした(笑)。ちょうど今回の『ウルトラマンタイガ』で1、2、3話を撮られる市野(龍一)監督のことを杉浦さんが覚えてらっしゃって(市野監督は『コスモス』にも監督参加している)「市野さんは元気?」みたいなお話もしました。

――それでは、井上さんが『ウルトラマンタイガ』の主役に決定したときのお話から、うかがっていこうと思います。選考はどのようにして行われたのですか。やはりオーディションがあったのでしょうか?

大勢が集まるようなオーディションはなく、個別に面談を受け、そこでいくつかの質問とアクションがあって、決めてもらったのですが、どれくらいの人数がいたかなどは全く分かりません。

――工藤ヒロユキ役に決まったよ、と知らされたときの率直な感想はいかがだったのでしょうか。

もちろん、うれしい!という気持ちしかなかったですね。決定を聞いたときはまだ大学に通っていて、卒業したら上京する予定だったんです。上京してもすぐ仕事があるわけでもないしな~と思っていたので、レギュラーのお仕事が決まったので安心したという思いもありました。そしてすぐに「よし、やってやるぞ!」という気持ちがわきあがってきました。

――撮影に入られて「自分はいま"ウルトラマン"の世界にいるんだな」と実感された出来事はありますか?

言ってしまうと"全部"ですね。ヒロユキの衣装はE.G.I.S.の制服のみなので、最近はこれを着ると自動的にヒロユキになれるというか、普段から現場に入る時のスイッチのようになってきました。その中でも特にヒーローっぽいなと思える瞬間は、やっぱりアクションをしているときですね。あと、台本を読んでいて、ふつうのドラマではまず言わないようなセリフが出てくるとき(笑)。自分で「こういうセリフを言うんだなぁ」なんて、しみじみ思いながら演技をしています。でも、ウルトラマンの世界というものが一番感じられるのは、特撮の現場を見学に行ったときです。そういう意味では、撮影にまつわるいろいろな面から、自分がウルトラマンの世界に入っているという感覚を味わっているような気がしますね。

――タイガ、タイタス、フーマという3体のウルトラマンと接してみてのご感想はいかがですか?

それぞれビジュアルがぜんぜん違いますし、性格も異なっている3体のウルトラマンが、まったく違う口調でしゃべってくるのが楽しいですね。放送前だとカッコいいウルトラマンという印象しかないかもしれませんが、実際にキャラクターボイスが加わると、またみなさんの印象が変わってくると思います。たとえばタイタスは、あんなにたくましいスタイルをしているのに、話し言葉は常に温厚そのもの。フーマは、一本芯が通っているのですが、ちょっと話し方が荒っぽいんです。タイガを含めて、3体のウルトラマンとヒロユキが会話をするシーンに、ぜひ注目してほしいですね。

――前作の『ウルトラマンR/B』を参考としてご覧になったことはありますか?

全話は観られなかったのですが、観ました。主人公の湊カツミ、イサミ兄弟がとても魅力的で、ウルトラマンロッソ、ウルトラマンブルの兄弟ウルトラマンもカッコよかったです。僕たち(タイガ、タイタス、フーマ)も負けないよう、カッコいいヒーローとして子どもたちの心をつかみたいです。