フジテレビの遠藤龍之介社長が、7日に放送された同局系トーク番組『ボクらの時代』(毎週日曜7:00~)に出演し、父・遠藤周作氏との思い出などを語った。

フジテレビの遠藤龍之介社長

今回は、遠藤周作氏の息子である遠藤社長に、阿川弘之氏の娘・阿川佐和子、檀一雄氏の娘・檀ふみという、文士を父に持つ3人が鼎談。

遠藤社長は7歳くらいの時に、「遠足の感想文を『お日さまがカンカン照って、汗がダラダラ流れました』って書いてたんですけど、後ろから気配がして見たら、父親が怖い顔して見てるんです。『何やってんだ! さっきから見てれば“お日さまがカンカン”とか“汗がダラダラ”とか! 暑いことを表現するのに、そんなので伝わるはずがないじゃないか! 日陰の涼しさを書かなきゃダメだろ!』」と怒られ、文章を書くことがトラウマになったそう。

それでも、有名作家を父に持つことは「良かったことのほうが圧倒的に多いと思います」といい、「初対面の方と話をしても、そういう話題で近くなれることもありますしね」と、メリットを感じているそうだ。

その流れで、周作氏の友人である作家・北杜夫氏が、自身の原作をドラマ化してほしいとフジテレビに電話をかけてきたというエピソードを披露。「『原稿ができました』って。こっちはお願いしてないんですけど、躁(そう)病のときだったんですね。『先生、今回はどんなお話なんでしょう?』って聞いたら、『火星人の女と地球人の男の恋の物語だから』って言われて…」と困ったそうだ。

さらに、北氏は「地球人の男役をやりたい」と希望していたそうで、当時の遠藤社長は「先生、俳優業というのは本当にハードですから」と伝えたが、「そうですかぁ…。じゃあ、僕はアシスタントディレクターをやります」と思い直してしまい、遠藤社長は「いや、そっちのほうが大変ですから(笑)」と思わずツッコミ。

このドラマ化構想は、火星人の女役を加賀まりこに依頼して、事務所のOKをもらってしまっていたそうで、遠藤社長は「なぜかその撤収を私がやるっていう(笑)」と、笑いながら振り返っていた。