東京2020組織委員会は6月28日、オリンピック競技の一つである「バスケットボール」に「算数」を掛け合わせた「東京2020算数ドリル」の実践学習会を府中市立府中第十小学校(東京都府中市)で開催した。

  • 「東京2020算数ドリル」実践学習会が開催

子どもたちがスポーツの魅力を感じながら算数を学ぶことができるよう、東京2020大会の全55競技を取り入れた問題で構成される「東京2020算数ドリル」。2019年版ドリルはA巻とB巻で構成され、A巻はオリンピック競技、B巻はパラリンピック競技に関する問題を掲載している。

2018年度はモデルエリア校として渋谷区の公立小学校全18校に同ドリルを展開し、2019年度は東京都内の全公立小に拡大展開した。現在では、東京都以外の自治体でも活用が決定されている。

  • 競技を学びながら算数が学習できる「東京2020算数ドリル」

実践学習会では、東京2020算数ドリルA巻に登場するバスケットボール選手と子どもたちがシュート対決を行い、その成功割合を求めるという授業を実施。この日は、東京2020オリンピック日本代表候補の田中大貴選手と竹内譲次選手が登壇した。

  • (左から)子どもたちに挨拶する田中大貴選手と竹内譲次選手

子どもたちは17人の4チームで1人1回のシュートを、バスケットボール選手は1選手4回のシュートをそれぞれ行い、シュートの成功率で対決するというゲーム要素も。

  • 大きなバスケットボール選手に抱えられてシュートに挑戦する生徒たち

  • シュート数の割合をみんなで確認

最終決戦では、子どもたちのチームに助っ人としてまさかのロボットが登場し、会場にはどよめきが。「CUE3(キュースリー)」と名付けられたこのロボットは、プロバスケットボール Bリーグ アルバルク東京にて正式に選手登録されているという。人工知能(AI)を搭載したCUE3は、放った5本のシュートを全て成功させ、子どもたちのチームを勝利に導いた。

  • トヨタ自動車が開発したシュートロボット「CUE3」(キュースリー)

  • シュートを放つ「CUE3」に子どもたちも興味津々

実践学習会に参加した子どもたちは「選手の大きさと、機械の正確さに驚いた。この経験を勉強にも活かしたい」と感想を述べた。その感想を受け、竹内選手は「算数ドリルに載っている僕らが来ることで刺激になったら嬉しい」とコメントしつつ「AIには負けていられない」とこの日の対決を振り返り、自身も刺激を受けていたようだ。