富士急行は22日から開業90周年記念車両の運行を開始。初列車の発車に合わせ、河口湖駅で記念のセレモニーを行った。6000系1編成(3両編成)に特別な内外装を施し、富士急行線大月~河口湖間でおもに普通列車として運行される。

  • 富士急行線開業90周年記念車両がデビュー(写真:マイナビニュース)

    富士急行線開業90周年記念車両がデビュー。河口湖駅で発車を待つ

富士急行線は1929(昭和4)年6月19日に大月~富士吉田(現・富士山)間が開業。現在は大月~河口湖間を結び、地元密着の公共交通としてだけでなく、富士山エリア観光で訪れる人々などにも利用されている。近年は訪日外国人の利用も目立つ。

6月22日から運行開始した富士急行線開業90周年記念車両は、1号車から「クモハ6701」「モハ6801」「クハ6751」の3両編成。八高線・川越線などで活躍した元JR東日本205系を譲り受け、改造を行った車両で、富士急行6000系としては6編成目とのこと。これまでに導入された5編成とは異なる前面デザインも特徴となる。

外観は市松柄とグラデーションの和モダンを基調に、世界遺産である富士山の雄大で優美な姿を金色で表現。車体前面および連結面は塗装し、車体側面は金色をベースにデザインしたシートを貼付している。外観カラーに関して、開業90周年を祝う色として金色を採用する一方、景観に配慮し、落ち着いた色調にしたとの説明もあった。

  • 運行開始に合わせ、河口湖駅で記念のセレモニーが行われた

車内はオリジナルデザインの内装とし、モケット(シート生地)とカーテンに富士山の柄をあしらったほか、床や吊り革など随所に木を使用。窓上と中吊り、貫通扉の上部に富士急行線の歴史を振り返る写真を掲出している。ドア上には富士急行線の路線図と多言語対応の案内表示器を配置。大型のキャリーケースを収納できる荷物棚を3号車の車端部(2号車寄り)に設け、富士山エリア観光で訪れる人々へさらなる利便性向上を図った。2号車の車端部(1号車寄り)に車いすスペースも用意されている。

富士急行線開業90周年記念車両はこの日、河口湖駅9時55分発、大月行の普通列車から営業運転を開始している。発車前の河口湖駅で記念のセレモニーが行われ、新車両の運行開始を記念した横断幕が掲げられる中、出発合図とともに大月駅へ向けて発車した。なお、同車両は期間限定ではなく、このデザインで当面運行するとのことだった。

  • 富士急行線開業90周年記念車両の車内・外観