叡山電鉄は23日、観光列車「ひえい」(デオ730形)が2019年の鉄道友の会ローレル賞を受賞したと発表した。同社のローレル賞受賞は、1998年の900系展望列車「きらら」以来、2回目だという。

  • 叡山電鉄の観光列車「ひえい」(デオ730形)が鉄道友の会ローレル賞を受賞

鉄道友の会は毎年1回、日本の鉄道車両の進歩発展に寄与することを目的に、前年1~12月に日本国内で営業運転を正式に開始した新造・改造車両から最優秀と認めた車両をブルーリボン賞、性能・デザイン・製造企画・運用などの諸点に卓越したものがあり、優秀と認めた車両をローレル賞に選定している。

観光列車「ひえい」は叡山電鉄デオ730形732号車を使用し、台枠や骨組を残して大幅な改造を行った。外観の光沢ある深緑色は比叡山の深い森を想わせ、多用される印象的な「楕円」は沿線の「神秘的な雰囲気」「時空を超えたダイナミズム」などのイメージを表現。車体側面の金色のストライプは比叡山の山霧を表している。

前照灯2基が前面楕円リング内側の上部・下部に分けて設けられ、尾灯は下方の曲線に沿う位置にあり、このようなデザインはきわめて独創的で、改造車両であることを感じさせない。風情のある洛北の街並みとも十分に調和している。

  • 観光列車「ひえい」の外観

  • 観光列車「ひえい」の内装

京都中心部から八瀬・比叡山を経由し、坂本・びわ湖に至る観光ルート「比叡山・びわ湖(山と水と光の廻廊)」をさらに活性化させるべく、その道しるべとなることをめざし、2018年3月21日から特別料金不要の観光列車「ひえい」の運行を開始した。おもに鞍馬線で運行される展望列車「きらら」に続き、叡山本線にも新デザインの観光列車を定着させることで国内外からの乗客に対応し、同時に沿線の通勤通学輸送にも貢献していることなどが評価され、ローレル賞に選定されたとのこと。