風が当たるだけで痛いといわれる「痛風」。ビール好きで、ぜいたくな食事ばかりしている中年男性がなる病気というのが一般的なイメージだろう。

公益財団法人痛風財団の平成28年度事業報告書によると、痛風の通院患者数は年々増え続けて現在約100万人と推定されている。従来は中高年男性に多かった痛風だが、近年は食生活の変化に伴って20~30歳代の若い男性にも発病が目立ってきているという。

そこで今回、内分泌代謝専門医の山本咲医師に痛風の症状や原因、予防法などについてうかがった。

  • 成人男性の5人に1人は痛風予備軍

    痛風は成人男性に増えている

痛風の症状

痛風の症状といえば、急に足の親指の付け根などの関節が赤く腫れて痛みだすことがよく知られているが、山本医師によると、この痛風発作が起こる前に実は予兆があるという。

「よく患者さんが訴える予兆としては関節のムズムズ感があります。急激に発症し、24時間以内にピークに達することが多く、変が起こりやすい好発部位は足の親指の付け根や足関節ですが、そのほか肘関節、手首や手指、膝の関節などに起こることもあります。また関節の腫れ、熱感、発赤を伴います」

痛風発作は一般的に、骨折よりも強く我慢できない激痛を伴う。痛みのために2、3日は歩けなくなるのが普通だという。

痛風の原因

痛風発作の原因は尿酸が関節に蓄積すること。そもそも尿酸は「プリン体」という物質が体内で分解されてできる産物で、血液の中にある一定量は存在している。尿酸値が7㎎/dlを超えると高尿酸血症であり、8mg/dl以上だといつ痛風発作を発症してもおかしくない状況だ。

「口からプリン体として摂取され、エネルギー合成の産物として尿酸が体内で作られ、一時的に体内に保たれた後に尿や便などで体外に排泄されます。ところが、何らかの原因により体内で尿酸が過剰になると、余分な尿酸がナトリウムと結合し塩を作り尿酸塩になり、さまざまな臓器に付着します」

尿酸塩が関節滑膜にたまると痛風発作になるが、たまる場所によって発病する病気が異なる。

痛風結節……皮膚の下に結節ができることを痛風結節と呼ぶ。痛風結節はまれには脊髄にたまり、神経症状の原因になるケースもある。

尿路結石……腎臓で作られた尿の通り道である腎盂腎杯や尿管、膀胱、尿道などに石ができること。尿路結石は、石ができる場所や大きさによって「腎結石」(鈍い痛み)や「尿管結石」(石がある側のわき腹や背中、お腹に激しい痛みが生じる)などに分類され、その症状も異なる。