「ブルーオーシャン」と「レッドオーシャン」、どこかの海のような言葉ですが、実は多くの職場で使われるビジネス用語になります。

  • 「ブルーオーシャン」と「レッドオーシャン」の違いは何?(写真:マイナビニュース)

    「ブルーオーシャン」と「レッドオーシャン」の違いは何?

そこで今回は、ブルーオーシャンとレッドオーシャンの違いについてお話ししたいと思います。

ブルーオーシャンとレッドオーシャンの意味

ブルーオーシャンとは、競争相手のいない未開拓市場のことで、文字通り「のどかで穏やかな青い海」のような市場です。競争相手がいないということは、今まで誰も考えつかなかった新しいビジネスこそがブルーオーシャンであり、自由な発想やユニークなアイデアから生まれ得るものといえるでしょう。

これに対し、競合がひしめき合う激しい競争状態にある既存市場のことを「レッドオーシャン」と呼びます。文字通り「血で血を洗うような真っ赤な海」のような市場です。

ブルーオーシャンとレッドオーシャンの関係性

どんな商品やサービスも、はじめは皆ブルーオーシャンだったはずです。ブルーオーシャンのうちは、ある程度売り上げを伸ばすことができるでしょう。しかし、ヒットすればするほど、その市場は早々にレッドオーシャンと化します。

なぜなら、もうかる市場には必ず他社が参入してくるからです。そうなると、価格や独自のサービス、新たな機能やデザイン性など、あの手この手で他社との差別化を図らなければ生き残ることが難しくなるわけです。

また、常にブルーオーシャンを見出すことができればいいのですが、そう簡単に見つけられるものではありません。そのため、多くの企業がブルーオーシャンの開拓と並行して、レッドオーシャンで競争を続けながら利益を確保しています。

ブルーオーシャンとレッドオーシャンの実例

ブルーオーシャンやレッドオーシャンとは具体的にどのような市場を指すのか、いくつかピックアップしてみました。

大企業によるブルーオーシャンの成功例といえば、ヒートテックなどの高機能かつ低価格の衣料品市場を創った「ユニクロ」。子どもからお年寄りまで楽しめる家庭用ゲーム機Wiiを開発した「任天堂」などが挙げられます。

また、YouTubeやSNSを上手く活用したビジネスも登場し、中でも「ユーチューバー」は、今や憧れの職業にランクインするまでに。自由な発想やアイデア次第で、個人でも成功し得る市場といえるでしょう。

一方、すでに私たちの生活に欠かせないサービスや商品はレッドオーシャンにあるといえます。例えばボールペンです。多くのメーカーがひしめき合い、線の太さ、色、書きやすさなどが違うボールペンを何万種類も世に送り出しましたが、どのメーカーも他社との差別化に頭打ち状態になっていたと思います。

そんな中、新たなブルーオーシャンとなったのが「消せるボールペン」の登場です。これには、誰もが驚き感動したのではないでしょうか。

最近レッドオーシャン化した市場といえば、格安スマホや格安SIMなどのMVNO市場が挙げられます。数年前までは数社しか参入していなかった同市場も、今や数百社による激しい争いが繰り広げられています。

ブルーオーシャンとレッドオーシャンの例文

  • このチームの役割は、ブルーオーシャンを開拓することだ。
  • 日常のあらゆるシーンに、ブルーオーシャンのヒントがある。
  • ブルーオーシャンの構築はそう簡単ではない。
  • 我が社はあえてレッドオーシャンで勝負します。
  • このサービスも時期にレッドオーシャンとなる。新しい機能を考えるべきだ。

ブルーオーシャンに似た言葉「ニッチ」とは

ブルーオーシャンに似た言葉に「ニッチ」というものがあります。「ニッチ」とは、「隙間」という意味の英語【niche】からなるカタカナ用語です。

ニッチは、特定の需要や客層を持つ規模の小さい市場のことです。規模が小さく収益も低いことから大企業はニッチに手を出さない傾向にあり、中小企業やベンチャービジネスが狙う領域といわれています。

また、ニッチは、消費者にすでに浸透している分野に眠っている一部のニーズを狙ったものであるのに対し、ブルーオーシャンは消費者に浸透していない全く新しい分野、またはニーズすら確認できていない分野をターゲットとしています。ゆえに、ブルーオーシャンは「未開拓市場」、ニッチは「隙間市場」と呼ばれることもあります。

市場規模だけでなく、ターゲットとしているものも違いますので、混同しないように気を付けましょう。


ブルーオーシャンを思い付いたところで、必ずしもヒットするとは限りません。多額の費用を投入して商品化したものの、単なる赤字事業になるリスクもはらんでいます。

一方、既存市場であるレッドオーシャンには、消費者のニーズがあることは明らかですが、多くの競合がひしめき合っています。ブルーオーシャンを見つけるか、それともレッドオーシャンで他社と勝負するか、それぞれの特徴を理解した上で挑みましょう。