現在テレビ朝日系全国ネットで放送中『仮面ライダージオウ』のスピンオフ作品として、放送開始よりおよそ17年ぶりに復活を果たした『RIDER TIME 仮面ライダー龍騎』(ビデオパスにて全3話を配信)を記念し、メインキャストが結集したプレミアムイベント『仮面ライダー龍騎ナイト』が5月5日、東京・グランドプリンスホテル新高輪にて開催された。

『仮面ライダー龍騎』とは、2002(平成14)年2月から2003(平成15)年1月まで全50話を放映した特撮テレビドラマで、『仮面ライダークウガ』(2000/平成12年)『仮面ライダーアギト』(2001/平成13年)に続く"平成仮面ライダー"シリーズの3作目にあたる。さまざまな意味で「仮面ライダー」のイメージを大きく打ち破ることを使命とした本作では、鏡の中の世界「ミラーワールド」で総勢13人もの仮面ライダーがお互いの存在をかけて激しく戦うという、かつてない世界観、設定が作られた。本作に登場する仮面ライダーは、みなそれぞれどうしても叶えたい"願い"のために戦っているが、その願いは最後の1人になったときにしか叶えられることができない。強烈な個性を備えた複数の仮面ライダーが、異なる主義主張をぶつけあい、激しく争い合うストーリーは実にエキサイティング。回を重ねるごとに「こんどはどんな仮面ライダーが登場するのか」「次に脱落していくのはどの仮面ライダーか」というスリリングな展開に、多くの視聴者が釘付けになった。

スペシャルステージには、『仮面ライダー龍騎』のテレビシリーズ、劇場版、そしてTVスペシャルに登場した仮面ライダー龍騎、仮面ライダーナイト、仮面ライダーシザース、仮面ライダーゾルダ、仮面ライダーライア、仮面ライダーガイ、仮面ライダー王蛇、仮面ライダータイガ、仮面ライダーインペラー、仮面ライダーベルデ、仮面ライダーファム、仮面ライダーリュウガ、仮面ライダーオーディンという13人の仮面ライダーが総登場し、会場に集まった2,000人もの観客を興奮させた。

キャストトークショーでは、仮面ライダー龍騎/城戸真司を演じる須賀貴匡、仮面ライダーナイト/秋山蓮を演じる松田悟志、仮面ライダー王蛇/浅倉威を演じる萩野崇、仮面ライダーガイ/芝浦淳を演じる一條俊、仮面ライダーライア/手塚海之を演じる高野八誠、仮面ライダーゾルダ/北岡秀一(演:小田井涼平)の秘書を務めた由良吾郎役・弓削智久の6人がステージに上がり、まずは2002年の『仮面ライダー龍騎』テレビシリーズの思い出を語るコーナーから始められた。

須賀は、自分が変身する仮面ライダー龍騎の姿を初めて観たときのことを回想し、「かなりショッキングでした。こんな仮面ライダーは斬新だなと(笑)最初は思ったけれど、今では誰よりも好きな仮面ライダーです!」と龍騎に対する愛着の強さを語った。また須賀は「新しい台本が来るまで、いつどこで、どの仮面ライダーが退場するのか、誰も知らない緊張感があった」と言いながらキャスト全員と顔を見合わせ、主演俳優ですら事前にどんな展開になるのか知らされていないスリル満点の撮影現場を振り返った。

松田は第20話で浅倉と蓮が行動を共にするシーンを挙げつつ、「このシーンは、他のライダーをどうしても倒すことのできない蓮が、凶悪な浅倉と同じ側につこうともがいているところなのですが、この撮影の前日に、僕は大失恋をしまして……。劇中でも暗く沈んでいる蓮ですが、僕自身がこのときプライベートなトークがぜんぜんできなくて。ちょうどいいタイミングで、どん底のメンタルでも成り立っている現場だったんです」と、放送から17年という歳月が過ぎた今だからこそ言える、とっておきの話題で会場を盛り上げた。

一條は、自身の初登場回(第15、16話)を振り返り「撮影の時間に遅れていって、みなさんに大変ご迷惑をおかけしました! でもこの回(第16話)のスチールを観ると、真司、蓮、手塚に対して芝浦がものすごく生意気な表情で写ってますよね。とても遅れてきた奴の顔じゃない(笑)」と、撮影初日の失敗談を照れくさそうに語った。

高野は思い出のシーンとして第23話で手塚が真司の手に抱えられながら絶命するカットを選び、「目がパチパチしちゃって、なかなか死ねなかったのを覚えています。真司が"手塚~~ッ!"と叫んだあとでも、ちょっとパチパチしていて、そのままオンエアされています」と、気持ちを込めた"手塚の最期"の撮影風景を懐かしそうに振り返った。

弓削は、最終回(第50話)で北岡の代わりに仮面ライダーゾルダに変身し、王蛇との戦いの決着がついた瞬間のカットを挙げて「これは自分の中で外せないですね。できれば、今日も先生と一緒にこの話をすることができればよかったんですけど……」と、劇中での北岡と吾郎の固い"絆"を思わせるコメントを残した。

萩野は第31話での「フェリーから海へ飛び込む浅倉」のカットを挙げつつ、「フェリーの中でずっと撮影していて、宮崎まで行ったにもかかわらず、上陸させてもらえずにトンボ帰りで東京へ戻り、銀座の丸の内東映で映画の舞台挨拶をやったんですよ。だから松田くんとか、フェリーに乗っていたキャストはみんな舞台の上でもなんとなく身体が揺れてた(笑)」と、フェリーの行き帰りの中で撮影を強行した過密スケジュールを思い出していた。