東映Vシネクスト『ルパンレンジャーVSパトレンジャーVSキュウレンジャー』の初日舞台あいさつが5月3日、新宿バルト9にて催され、『快盗戦隊ルパンレンジャーVS警察戦隊パトレンジャー』の主要キャスト陣と『宇宙戦隊キュウレンジャー』から岐洲匠、南圭介、そして加藤弘之監督がステージに登場。元号が「平成」から「令和」になって最初の「スーパー戦隊シリーズ」劇場映画作品であり、非常に盛りだくさんな内容となった本作の見どころやとっておきの裏話を明かした。

  • 上段左から元木聖也、横山涼、濱正悟、南圭介、加藤弘之監督、下段左から奥山かずさ、結木滉星、伊藤あさひ、岐洲匠、工藤遥

『ルパンレンジャーVSパトレンジャーVSキュウレンジャー』とは、『快盗戦隊ルパンレンジャーVSパトレンジャー』(2018年)と『宇宙戦隊キュウレンジャー』(2017年)が豪華コラボを果たした、スーパー戦隊シリーズ恒例の「VSシリーズ」最新作である。シリーズ史上初の"VS戦隊"であるルパンレンジャー、パトレンジャー、そしてシリーズ最多となる12人ものヒーローを擁するキュウレンジャーが結集。そこに『動物戦隊ジュウオウジャー』(2016年)のジュウオウザワールド/門藤操(演:國島直希)が(いきなり)加わって、総勢20人ものヒーローが大集合し、われわれの宇宙を支配せんと企むジャークマターの「ドン・アルカゲ」に立ち向かう。

映画上映終了後、MCを務めるスーパー戦隊親善大使・松本寛也の呼び込みによって、キャスト陣が登壇した。今回集まったのは快盗戦隊ルパンレンジャーから、ルパンレッド/夜野魁利役・伊藤あさひ、ルパンブルー/宵町透真役・濱正悟、ルパンイエロー/早見初美花役・工藤遥、警察戦隊パトレンジャーからはパトレン1号/朝加圭一郎役・結木滉星、パトレン2号/陽川咲也役・横山涼、パトレン3号/明神つかさ役・奥山かずさ、ルパンエックス&パトレンエックス/高尾ノエル役・元木聖也、そして宇宙戦隊キュウレンジャーからはシシレッド/ラッキー役・岐洲匠、ホウオウソルジャー/鳳ツルギ役・南圭介。ここに加藤弘之監督を加えた10名が、松本の投げかけるいくつかの質問に答えるかたちでイベントが始まった。

ついに初日を迎えた今の心境を、と聞かれた伊藤は「令和一発目ということで、豪華な内容になっていたと思います。みなさんどうでしょうか?」と観客に作品の感想を尋ね、満場の拍手をもらってうれしそうな笑顔を見せた。結木は「令和第1号のスーパー戦隊映画で、ここにお集まりのみなさんが映画をご覧になった第1号。今日は1号だらけですね。ぼく的には光栄です」と、自身がパトレン1号であることに絡めて映画の公開を独自の語り口で祝った。岐洲は「僕はすごくゴールデンウイークを満喫していまして、(映画の公開が)今日からなんだ~、という感じです」と、待ちに待った映画公開の日がやってきたうれしさをさわやかな笑顔でつぶやいた。

登場早々いきなり「刮目せよ、いま、伝説の舞台挨拶が始まる」と鳳ツルギの名調子であいさつを行った南だが、あいにく本日のノドの調子が万全ではない様子だった。それでも南は「昭和(生まれの)レッドとして、平成を生き抜いたレッドとして、新しい令和という時代を迎えました。今日はこの声でやらせていただきます!」と、ガラガラの声にも負けない元気なパフォーマンスを全力で行ない、ステージを熱く盛り上げる意欲に満ちていた。

3つの戦隊がぶつかりあうという今回の映画について、岐洲は「撮影初日、キュウレンジャーは自分だけで、ルパパトの中にひとりだけでした。唯一、心の支えになったのが(ホシ☆ミナト役の)寛也さんだけで正直心細かった。でもルパパトのみんなが優しく迎えてくれたので楽しく撮影ができました。2日目から南さんが入ってくれて、これで安心できると思ったのですが、現場がメチャクチャになりました(笑)」と、いつでもどこでも"全力"な南のエネルギッシュなふるまいで撮影現場の雰囲気が独特なものになったことを打ち明けた。これを聞いて動揺を見せた南だが、声が枯れているため思うようにツッコミが入れられず苦戦しながら「今日はハスキーな"オネエ"キャラで行きます! かつもく~~~!!」と、IKKOの決めゼリフ「どんだけ~~!!」を意識したギャグを発して会場をざわつかせた。

映画の見どころを聞かれた奥山は「さっき寛也さんが"3つの戦隊"と言いましたけれど、もう一人いましたね。ジュウオウザワールド! 國島くんがとても面白くて、撮影中"こんなことしちゃうの!?"と思うくらい凄い演技をして楽しかったです」と、劇中で強烈すぎるインパクトを残した國島について言及。これを受けた工藤は「なんかわかんないんですけれど、(劇中で)やりもしない"ジュウオウダンス"をみんなに教えていました」と、國島が『動物戦隊ジュウオウジャー』のエンディングで踊った「ジュウオウダンス」をキャスト陣にレクチャーしていたことを明らかにした。

追加戦士つながりで、國島の印象を尋ねられた元木は「現場ではけっこうしゃべっていましたよ。『ほんとに変わってるねえ~』みたいな話を(笑)」と、國島の突出したパーソナリティの濃厚さについて会話したことを打ち明けた。

近年のスーパー戦隊シリーズでは珍しく、エンディングに"ダンス"をすることがなかった『ルパパト』メンバーだが、本作ではキュウレンジャーと一緒に「キュータマダンシングver.VS」に乗せてキュータマダンスを踊る。さらには現在放送中の『騎士竜戦隊リュウソウジャー』の第7話(4月28日放送)と第8話(5月5日放送)ではエンディングテーマ「ケボーン!リュウソウジャー」に合わせてケボーンダンスを踊っており、好評を得ている。これについて伊藤は「ケボーンダンスは『ルパパト』ファイナルライブツアーの名古屋会場で収録したんですけれど、何回も踊ってめちゃめちゃ疲れてしまって。その後の食事では誰もしゃべらず、無言で手羽先を食べていました」と、ダンスにまつわる意外な苦労話を語った。また、元木からは「ダンスになると濱が"暴走"する」という感想が投げかけられ、これを受けて伊藤が「隣でジャンピング"胡坐(あぐら)"やってましたからね」と、濱のダイナミックなパフォーマンスに圧倒されたことを振り返った。ルパパトチームのダンスについて工藤は「もう、目が何個あっても足りないくらい」と、それぞれの自由な動きについて一回の視聴では追い付かず、何回でも繰り返し観てほしいとアピールした。

続いて、本作の劇中で快盗(伊藤、濱、工藤)が警察チェンジでパトレンジャーに変身したことを受け、「もし自分が別のヒーローに変身できるとしたら何になりたい?」という質問が。元木は「今だったら"アベンジャーズ"ですよ。カッコいいですもん!」と、現在大ヒット上映中の『アベンジャーズ エンドゲーム』を挙げ、結木が「まさかそこに行くとは……」と驚きの声をもらしていた。濱は「怪人でもいいですか? 悪役に憧れがありまして、デストラをやってみたい」と、ヒーローではなく悪役の名を挙げて工藤から「質問ちゃんと聴いてた?」と正される場面が見られた。

本作の見どころを聞かれた加藤監督は「個性豊かなキャラクターがたくさん出ていますので、お好きなキャラに注目して楽しんでほしい。画面の隅っこのほうでも、何か面白いことをしていますから」と、膨大なヒーローたちが活躍することこそ一番の見どころだと力を込めた。しかし総勢20人ものヒーローを描くというのは当然ながら大変だったそうで「全員の並びをどのようにしようかが悩みどころだった」と、最後の決戦時にドン・アルカゲを迎え撃つルパンレンジャー、パトレンジャー、キュウレンジャー、ジュウオウザワールドの配置をどうするかという部分で頭をひねったと打ち明けた。ヒーロー集合時の現場を振り返った工藤からは「ずっと騒然としていて、助監督さんがメガホンを手にして『静かにしてーっ!』と叫んでいて、学校みたいでした。申し訳なかったなと思いつつ、まとめてくださった監督に感謝です」と、20ヒーローの交通整理の大変さがうかがえる重要なコメントを残した。

松本の加藤監督に対する印象は「國島くんに対してめちゃくちゃダメ出しをしているところ」だったという。これに対して加藤監督は「國島くんは最初、1人だけアウェイ感があったので『思い切ってやれ』と励ましました。それで登場シーンは思いっきりやってもらって良かったんですけれど、ラストシーンでは"やりすぎ"てね……そこまでやんなくていいよって言った」と話し、キャストたちの笑いを誘っていた。

松本が『キュウレンジャー』で演じていた宇宙No.1アイドル・ホシ☆ミナトが今回の映画に出演することも話題になっているが、ここで松本から「ホシ☆ミナトについてどう思っているか」という質問が出た。伊藤が「メイクが大変そう」と話すと、岐洲から「寛也さんはメイクしているとき、顔がかゆくなるとつまようじでかゆい部分を"刺す"んですよね」と、顔がかゆくても掻くことのできないホシ☆ミナトのメイクについての苦労話を明かした。

トーク後のフォトセッションでは、南が「令和」の発表会見(4月1日)よろしく「刮目」と書かれた画用紙を掲げてポーズを取り、観客からの爆笑を呼んだ。最後の挨拶で岐洲は「ゴールデンウイーク(に公開する本作を)楽しんでください!」と短めに語り、ニッコリ笑顔をのぞかせた。結木は「画面に映りこんだら何をするかわからないという個性豊かなメンバーがそろっています。メインで撮っていないところでも、誰かがいろんなことをして、チャレンジしていますので、そちらのほうも楽しんでほしい。一回だけじゃ気づかないので、何回も劇場に足を運んでくれたらうれしいです」と、個性を爆発させたメンバーたちが画面の隅々でも存在感を発揮しているところに注目してほしいと語った。伊藤は「ルパンレンジャー~パトレンジャー~キュウレンジャー~ジュウオウジャーと、スーパー戦隊のタテのつながりを感じました。令和を迎え、戦隊の新たな歴史のいいスタートが切れるような作品になっています」と、新時代に向けて長く続いていくであろうスーパー戦隊の歴史に思いを馳せながら、本作の応援をファンに熱く呼びかけていた。

Vシネクスト『ルパンレンジャーVSパトレンジャーVSキュウレンジャー』は5月3日から新宿バルト9ほか全国劇場にて期間限定上映を開始。そして8月21日にはBlu-ray&DVDが東映ビデオより発売される。

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