新京成電鉄は11日、新型車両80000形(6両編成)を1編成導入すると発表した。京成グループ標準車両として京成電鉄と共同で設計され、2019年冬から新京成線松戸~京成津田沼間にて営業運転を開始する予定となっている。

  • 新京成電鉄の新型車両80000形の外観イメージ(画像:新京成電鉄)

    新京成電鉄の新型車両80000形の外観イメージ

新型車両80000形は「~受け継ぐ伝統と新たな価値の創造~」をコンセプトに、新京成電鉄がこれまで積極的に採用し続けた先進的な技術を核としつつ、さらなる安全性・快適性・バリアフリー機能の向上につながる設備と最新の省エネ機器を導入する。

外観デザインは質実さと実用本位を基本とした上で、丸みを帯びた形状でやわらかさを醸し出している。車体の下部に加え、上部のラインにも新京成電鉄のコーポレートカラーであるジェントルピンクを配し、高架区間の走行時でも周囲から見えるようにした。車体前面・側面の行先表示器は案内拡充のためにナンバリングの表示を追加。車外側面の行先表示器を大型化し、視認性を向上させている。

  • ジェントルピンクのラインを車体側面上部にも配した

  • 車内のドア上に2画面化した17インチLCD(液晶)車内案内表示器を設置

車内の座席は2005年デビューのN800形から改良し、従来の背もたれより高くして座り心地を向上させたほか、座席端部の袖仕切りにガラスを採用して開放感を持たせた。先頭車に従来と同等の車いすスペース、中間車には車いす・ベビーカー利用者や手荷物の多い利用者に配慮したフリースペースを設け、快適性を高めている。すべてのドア上に2画面化した17インチLCD(液晶)車内案内表示器を設置し、日本語・英語・中国語・韓国語の4カ国語表示できめ細かな案内表示を行い、情報提供機能の拡充を図る。

車内環境の改善にも努め、空気の浄化効果のあるプラズマクラスターイオン発生装置を全車両に設置するほか、空調制御ソフトの見直しも行う。曲線の多い新京成線の路線条件を考慮し、リアルタイムで騒音に追従して音量を調整する放送装置も搭載。車内での犯罪防止や事件発生時の早期解決、テロ警戒の強化などが求められている背景に鑑み、安全性向上のため車内防犯カメラを1両あたり3台設置するという。

  • 新型車両80000形の車内イメージ。中間車にフリースペースも設置する

モーターへの電流を制御する部品に最新の半導体を使用したフルSiC-VVVF制御装置を搭載し、N800形のIGBT-VVVF制御装置と比べて消費電力を19%削減するなど、さらなる省エネルギー化で環境負荷低減を図る。その他の機器も最新技術を導入する。