テレビ朝日系ドラマ『緊急取調室』第3シーズン(11日スタート、毎週木曜21:00~)に主演する女優の天海祐希。多くの人気ドラマで主役を務めてきたが、主演ドラマがシーズン3を迎えるのは、意外にも今回が初めてだという。

そんな今作に、どんな心境で臨んでいるのか。インタビューでは、シーズン2まで出演し、昨年2月に急逝した大杉漣さんへの思いや、私生活での刑事とのエピソードなどについても語ってくれた。

■シーズン3は「初めての経験」

天海祐希

天海祐希 撮影:宮川朋久

――『キントリ』(=『緊急取調室』)はシーズン3を迎えます。天海さんにとって、主演ドラマがシーズン3を迎えるのは初めてのご経験ですね。

そうですね。初めての経験なので、楽しみがありつつも、続けさせていただくことへの緊張や責任も感じます。ただ、気心知れた共演者の方々、スタッフさんとご一緒できることは楽しみです。

――続編であるがゆえの難しさはありますか。

出演者やスタッフのみならず、今まで見てくださった視聴者の方は、その方々なりの『キントリ』のイメージがあります。そのため、その方が望む『キントリ』の方向性ではないこともありうると思うのですが、これからやっていくであろう試行錯誤も受け入れていただけたらうれしいですね。皆さんが思う『キントリ』にしていかなければという責任感もあるし、それに加えて、見続けてくださっている方も新鮮に感じる、今までとは違うことも盛り込んでいかないといけないなと思います。

■大杉漣さんへの思い「心の中にはずっと一緒にいます」

――シーズン2まで出演されていた大杉漣さんが昨年亡くなられました。大杉さんへの思いをお聞かせください。

とっても素晴らしい先輩でした。「でした」って言いたくないんですけどね。真面目な相談にも、くだらない話にも付き合ってくれましたし、本当にプライベートなことまでお話しできた方です。実感がなくて、現場に漣さんの姿がなかったら、「今日は漣さん、撮影なかったのかな」と思うのではないでしょうか。『キントリ』でこれだけ密な関係をつくれて本当にありがたかったです。言葉や姿勢で、役者としてはもちろん、人間として大事なことを教えていただいていた気がします。でも、みんなの心の中にはずっと漣さんが一緒にいますし、「漣さんだったらきっとこう言ってくれただろうな、こうされただろうな」ということをしっかりやりたいです。

――天海さんご自身は、今回も『キントリ』の取調官・真壁有希子を演じるにあたり、髪を短くされましたね。

これをやるためには切らなきゃいけないなと。それもどうかなと思うんですが(笑)。でも、切った方が皆さんに「『キントリ』が帰ってきた」と思っていただけるのかなと。やっぱり鏡を見ると実感がありますね。

――天海さんはシーズン2のインタビューの際、「セリフが多い」と明かしていました。これまでの『緊急取調室』シリーズの撮影を振り返り、「大変だな」と感じたシーンはありますか。

そのときは「大変だったな」と思うんですが、わりと忘れてしまうタイプの人間なので、上書きされてしまうんですよ(笑)。でもやっぱり取調室でのシーンは大変です。スタッフの皆さんもすごく工夫をされていて、取調室のシーンを撮るプロです(笑)。取調室の撮影になると、「『キントリ』に帰ってきた」と思うんでしょうね。私たちもそうですが、被疑者役として出演されるゲストの方々も緊張されるみたいです。閉ざされた空間ですし、まるで舞台をやっているような感覚です。今回も素晴らしいゲストの方々に来ていただけるでしょうから、視聴者の皆さんには、生の緊張感ある舞台のようなお芝居を楽しんでいただければと思います。