相模鉄道は1日、かしわ台車両センターにて「2019年度 新入社員入社式」を行った。今年の新入社員は26名(運輸系18名、技術系8名)。4月20日に運行開始する相鉄・JR直通線用の新型車両12000系を使用し、同社では初という車両内での入社式となった。

  • 相模鉄道の入社式は新型車両12000系を使用して行われた(写真:マイナビニュース)

    相模鉄道の入社式は新型車両12000系を使用して行われた

入社式は4月1日午前、新型車両12000系の1号車の車内で行われた。相模鉄道代表取締役社長の滝澤秀之氏は、「本日ここに26名の皆さんをお迎えすることができ、心から歓迎の意を表します。社会人としての第一歩を踏み出すにあたり、不安もあろうかと思いますが、今日の気持ちを大切に、努力を重ねて行っていただきたい」と挨拶した。

滝澤社長はこの日行われる新元号発表にも触れ、「来月から新しい時代がスタートします。この記念すべき年に、相鉄線・JR線の相互直通運転が11月30日からスタートし、長年の悲願であった都心直通が実現することになります」。新型車両12000系の車内で入社式を行うことに関して、「当社100年の歴史の中でも大きな変化を迎える年に入社される皆さん、そして相鉄・JR直通線用の新型車両としてデビューする12000系と一緒に次の100年へ出発したいとの思いを込め、特別にこのような形式を採りました」と述べた。

  • 4月20日から営業運転に投入される相鉄・JR直通線用の新型車両12000系。入社式の日付にちなみ、運用番号の表示が「401」に

  • 1号車の車内で入社式が行われ、滝澤社長が挨拶

新入社員紹介では、車内放送用のマイクを使って26名が自己紹介と抱負を述べた。「相模鉄道の次の時代を支える大きな存在となれるよう、スモール・イズ・ビッグの精神を持って頑張りたい」「採用面接の際、『今後の相鉄の100年は私にお任せ下さい』と大見得を切ってしまったので、これからしっかり40年、有言実行していきたい」「笑顔を忘れず、業務に携っていきたい」「相互直通運転が始まる年、新元号の始まる年に入社できてうれしい。新しい社員として仕事に励みたい」「同期26名、部署は違えど切磋琢磨し、お互い高め合いながら、これからの100年を担う存在になります」「相模鉄道を利用する人たちが笑顔になるような電車・駅・まちづくりができたらいいなと思っています」などの声がマイクを通じ、12000系の各車両に響き渡る。

新型車両12000系の前で記念撮影も行われた。ゲストに「そうにゃん」も登場し、入社前から大ファンという女性の新入社員も大喜び。「最初は細々と活動していたけど、最近は大きなイベントにも参加するようになって、明るく元気をもらえるような活動をしているところがいい。応援してます」と「そうにゃん」の良さを話す彼女は相鉄沿線で生まれ育ち、通学や外出などで相鉄線をほぼ毎日利用しており、運輸系エキスパート職として相模鉄道に入社。運転士希望で、「将来、自分の子に自分の運転している姿を後ろから見てもらい、『ママかっこいい』と言ってもらえることが夢です」とのことだった。

入社式が行われた新型車両12000系の印象を聞くと、「ときどき試運転で走っているところを見ていたけど、車内に入ると雰囲気が違って、かっこいい電車。新宿方面を走るとなると、『あの電車は何だろう』って、興味を持ってくれる人が増えるんじゃないかと思います」とコメント。技術系総合職として入社した男性の新入社員は、「新しい機能が多く付いていて、乗るのが楽しみです」と話し、入社式での車内放送用のマイクを使った自己紹介に関して、「一瞬だけ車掌の気持ちになりました(笑)」と振り返った。

  • 車内での入社式に続き、「そうにゃん」やかしわ台車両センターの職員らに出迎えられ、新型車両12000系の前で記念撮影

  • 新入社員からも人気の「そうにゃん」。ちなみに「そうにゃん」は相鉄の広報担当として2014年に入社(プロフィールより)しており、新入社員たちの5年先輩ということになる

入社式は11時すぎに終了。それから間もなく、新元号が「令和」と発表された。今年度の新入社員には、新元号「令和」とともに、2019(令和元)年11月30日に予定される相鉄・JR直通線、2022年度下期に予定される相鉄・東急直通線の開業により、「都心直通」という新時代を迎える相模鉄道の将来を担う存在となることが期待されている。