『RIDER TIME 仮面ライダーシノビ』『RIDER TIME 仮面ライダー龍騎』の完成を記念したイベント『仮面ライダージオウ スピンオフ RIDER TIME 前夜祭トークショー』が30日、東京・丸の内TOEIにて開催され、2作品の主要キャスト陣と柴崎貴行監督(※柴崎監督の崎は立つ崎が正式表記)がステージに登場した。

  • 左から、柴崎貴行監督、財木琢磨、華村あすか、多和田任益、松田悟志、弓削智久、高野八誠、一條俊、萩野崇

『RIDER TIME 仮面ライダー龍騎』は、KDDIの全キャリア対応可能映像配信サービス「ビデオパス」の独占配信作品。2002年に放送された「平成仮面ライダーシリーズ」の第3作『仮面ライダー龍騎』で活躍した主要なキャスト陣が再結集し、仮面ライダー同士が最後の1人になるまで戦い合う"ライダーバトル"を描いた全3話のスピンオフドラマが作られた。

『RIDER TIME 仮面ライダーシノビ』と共に本作の演出を手がけた柴崎監督は、入場の際に流れた本作の主題歌「Go!Now! ~Alive A life neo~」について「当時『龍騎』の主題歌を担当された松本梨香さんが、このスピンオフドラマのために2019年版として新たに歌ってくださいました。当時の主題歌の雰囲気を残しつつ、新曲として聴くことのできる不思議な、いい曲になっています」と絶賛した。

仮面ライダーナイト/秋山蓮を演じた松田悟志は、本作の見どころを尋ねられて「やはり、井上(敏樹)脚本による、新しいストーリーじゃないでしょうか。台本を読んで、僕たちもビックリしましたから」と、テレビシリーズでも小林靖子氏(メインライター)と共に『龍騎』ワールドを築き上げた井上敏樹氏による、まったく新しい『龍騎』の物語がまず1番の見どころだと語った。

今回、登壇が叶わなかった仮面ライダー龍騎/城戸真司役・須賀貴匡とのひさびさの共演について松田は「須賀っちと僕とは、テレビシリーズの1年間で家族よりも長く一緒にいたので、いつ会っても久しぶりという感じがしない」と、2002年のテレビシリーズで培ってきた強い"絆"を改めて実感するようなコメントを残した。

また松田は「須賀っちが、当時の真司の芝居をかなりリアルにやるんです。よくここまで当時を再現するなあと思って、面白すぎて吹きだしてしまうことが何度もありました」と、須賀との関係性の強さを示すエピソードを明かしていた。

仮面ライダー王蛇/浅倉威を演じた萩野崇は、放送終了から16年が経ったテレビシリーズ『龍騎』を観て"予習"してきたか、という問いに「観返しましたよ。観返して……面白いなあって思いました」と思わずもらし、松田から「(演じるためではなく)お客さんとして観てる!」と鋭いツッコミを入れられた。

常にイライラをつのらせ、強い相手と戦うことに喜びを見出す凶暴・凶悪な男という設定の浅倉を演じるにあたっては「朝の5時に東映の撮影所に行って、上半身裸に蛇革のジャケットを着て、首輪をつけて、じゃあお願いしますと言われるこの感じは強烈でしたね。今も蛇革ジャケットですが、裸ではなくインナーを着ています。浅倉もちょっとは常識を持ったな、と思っていただければ(笑)」と、テレビシリーズでの危険な匂いを濃厚に残したまま、歳月を重ねた浅倉を演じたことを語った。

仮面ライダーガイ/芝浦淳を演じる一條俊は、幼い息子がヒーロー作品のファンであることから『龍騎』出演を熱望していたという。出演にあたり、親子でテレビシリーズを初回から最終回まで振り返ったという一條は「インターネットで『龍騎』のことを調べると、ファンのみなさんが仮面ライダーガイ/芝浦淳は仮面ライダー王蛇/浅倉威の"ガードベント"だって言われているんです。確かに劇中で、ガイは王蛇の盾にされて攻撃をモロに被り、殺されていますよね。それで萩野さんのことを嫌いになりました(笑)」と、17年ぶりに王蛇/浅倉への"恨み"をあらわにしながらも、ファンから絶妙なニックネームをつけられたことに対して、にこやかな笑みを浮かべながら話した。

仮面ライダーライア/手塚海之を演じる高野八誠は、ひさびさの変身ポーズについて「自分では、うわあ久しぶりだなあ~と思うだけなんですけれど、画が完成して改めて観るとカッコいいなと思いましたね。自分の演じたライダーだけでなく、みなさんがカッコいい」と、今もなお当時と変わらぬカッコよさを保ち続けるキャスト陣と、見事な映像を作り上げる撮影スタッフに多大なリスペクトを捧げるコメントを残した。

かつて仮面ライダーゾルダ/北岡秀一(演:小田井涼平)の秘書を務めていた由良吾郎役・弓削智久は、「今回は、いつも側にいるはずの北岡先生がいらっしゃらないので、吾郎がどういう感じで出てくるのか楽しみにしていただけたら」と、テレビシリーズと異なる状況でどのように吾郎が物語に絡んでくるのか、を大きな見どころとして挙げた。

『龍騎』に登場する仮面ライダーの中で、自分以外のライダーになれるとしたら誰がいい?という質問に対して、松田は「ぜったい王蛇です! 当時からよくモノマネをしていました」と即答し、横にいた萩野を喜ばせた。萩野は松田の言葉を受けて「俺も松田くんのモノマネできるんだよ!」と言いながら「城戸……」と秋山蓮の見事なモノマネを披露。続けて「おい蓮!」(真司)、「ゴローちゃあん」(北岡)、「……先生ッ!」(吾郎)、「イライラするんだよ……」(浅倉)と、1人で複数の『龍騎』出演キャラクターを演じて大いなる拍手を浴びた。一條もまた「王蛇をやりたい」と言い「そのとき芝浦淳は萩野さんに(笑)」と、かつて自分が倒されたときと同じシチュエーションで仕返しをしたいと打ち明けた。

高野が「龍騎がいい。クールなキャラクターではなく、正統派な芝居がやりたい」と希望を述べると、松田から「高野八誠の城戸真司は想像ができない」と、手塚のイメージとのギャップを感じるかのようなリアクションがあった一方で、萩野は「一度そういうのも観てみたい」と、クールではなく激しい感情をむき出しにする高野の演技に興味を持つ様子を見せた。

弓削は「変身後のフォルムがカッコいい」という理由で「ナイトか王蛇になりたい」と語ると、萩野も「ナイト、カッコいいよね。コウモリ……」と、ナイトのスタイリッシュなヒーロー像の良さに魅力を感じると賛同した。

『仮面ライダージオウ』の仮面ライダーゲイツ/明光院ゲイツ役・押田岳と松田が"似ている"というファンの声に対して、松田は「役の設定が似ている上に、押田くんの声の出し方が似ている」と分析しながらも「実際に会ったら、そんなに似てないねって話になったんです。一緒にツーショット写真を撮って、見てみると"似てないな~"って。でも、その写真をTwitterにアップしたら、ファンの方々から"そっくりです"っていうコメントが1万件くらい来た(笑)」と、当人同士が思う以上にファンから"ゲイツと蓮が似ている"という印象が強いことを明かした。

ここで、当日会場に来ることが叶わなかった仮面ライダー龍騎/城戸真司役・須賀貴匡からの映像メッセージがスクリーンに上映された。須賀はテレビシリーズの放送終了から16年ぶりに結集したオリジナル・キャストとの共演について「それぞれが俳優としても人間としても、いろいろな経験をした人たちですから、久しぶりに会えたときはそれはもう楽しかったですね」としみじみ語った。撮影時の裏話としては「テレビの放送ではなかなか描けない、衝撃的なシーンがありました。僕が控室のドアを開けると、いい齢をした俳優がガウンを着て歯を磨いている。なんだここは!?と……」と、かなりショッキングなシーンが存在することに言及。続けて「僕の携帯には、そのシーンを演じられていた俳優さんのあられもない姿がものすごく残っています!」と、非常に興味深い発言を行ってステージ上にいるキャストたちをざわつかせた。

須賀のメッセージに続いて、『RIDER TIME 仮面ライダー龍騎』の冒頭部分が上映され、今回のスピンオフドラマ独自の世界観、設定の一部が明かされる形となった。今回、オリジナル・キャスト以外にも、仮面ライダーに変身する人物がいることも明かされたが、これに対して松田は「この人が新しく仮面ライダーに変身するんだ、という説明が誰からもなかったので、現場にいてもわからないんですよ。ふつうに話していて、本番になったらカードデッキ持って『変身!』ってやるんで、『おおっ、キミも変身するんか!?』と驚いた」と、仮面ライダーベルデ/木村(演:山口大地)、仮面ライダーインペラー/石田(演:篠田諒)、仮面ライダーシザース/石橋(演:中島健)、仮面ライダータイガ/戸塚(演:菅原健)といった、今回のスピンオフドラマで初めて登場する"仮面ライダー"を演じる俳優たちについての新鮮な印象について語った。

最後の挨拶で柴崎監督は「当時助監督だった僕が、監督として昔の仲間たちと仕事ができたことをうれしく思います。仮面ライダーという作品が長く続いてくれた結果、こういうチャンスにめぐりあえたと思っています。また17年後、みんなとここで会えるように頑張っていきます(笑)」と、自身でも思い出深い作品となった『龍騎』の「新作」を作ることのできた喜びをかみしめるように語った。

一條は「今回のスピンオフドラマに参加することができて、ほんとうにうれしいです。『龍騎』テレビシリーズの第47~48話くらいのスピード感で観る楽しみのある作品になっていると思います。ぜひお楽しみください」と、密度の濃い物語の出来栄えに自信のほどを見せた。

高野は「伝説的な作品である『龍騎』をまたやるということで、プレッシャーやうれしさがありました。久しぶりにみんなと会えて、当時とは違った空気でワイワイしながら演技ができたことが幸せ」と、オリジナル・キャストとの再会に喜びを感じていたことを明かした。

弓削は「平成仮面ライダーの他の作品(カブト、鎧武、アマゾンズ)にもご縁があって出させていただきましたが、いちばん思い入れのある『龍騎』にふたたび出演できて、さらにこのメンバーと一緒に作ることができて、強い喜びを感じています」と、出演者としてもいろいろな気持ちを込めて作品を作り上げたとしみじみ語った。

萩野は「『龍騎』を面白いと思ってくださった多くの方たちがいらっしゃったからこそ、僕らが幸せな時間をすごすことができました。ファンのみなさんに改めて感謝します」と、オリジナルのスタッフ・キャストが結集して新しい『龍騎』を作ることができたという喜びを明かした。

松田は「本放送が終わった後それぞれいろんな仕事に立ち向かって、やりがいを感じたり、達成感に包まれながら、今まで過ごしてきたと思います。僕個人は、ほんとうに楽に来られた17年ではなかったからこそ、『龍騎』の新作に出演するにあたって『俳優を続けて来られてほんとうによかった』と思いました。自分が続けたいから続けられるような仕事ではないからこそ、こうして17年もの間、俳優ですと名乗らせていただいているのは、ひとえにみなさまのおかげだと思っています。このたび、こうやってみなさんと生でお会いできたのは、ほんとうに幸せだと思っています。ありがとうございました」と、テレビシリーズから今回のスピンオフドラマまでの長い道のりを今一度ふりかえり、改めて『龍騎』を愛するファンたちへの感謝の気持ちを伝えた。

『RIDER TIME 仮面ライダー龍騎』は2019年3月31日より第1話を配信。続いて第2話が4月7日、第3話が4月14日のそれぞれ0時から「ビデオパス」にて独占配信される。

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