――今回、『龍騎』オリジナルキャストの面々と再会したときのお気持ちを聞かせてください。

須賀くんとはこれまでにもちょこちょこ会っているので、あまり久しぶりという感覚がないんです。けれども、彼は他の現場での演技と真司の演技とをしっかり分けていたため、"真司と対面することができた"という懐かしさは感じたかもしれません。ハギさん(仮面ライダー王蛇/浅倉威役・萩野崇)や弓削くんとは出演パートが違っていて、直接共演する場面がほとんどなかったのですが、ひさびさに王蛇の変身ポーズを見てカッコいいなあと思いました。

――現場に入られて、懐かしいスタッフさんに再会したということはありましたか。

テレビシリーズを撮っていたころのスタッフさんは、3分の1くらい残っていましたね。でも17年も経っていると、若いスタッフさんが多くなってきています。仮面ライダーライアのアクションを担当している方も、「5歳くらいのとき『龍騎』を観ていました!」って、話していましたから。

――今回のスピンオフドラマでは、手塚の衣装はどんなものになっていますか?

テレビシリーズでは赤いジャケットを着ていましたが、今回はもっと落ち着いた感じのロングコート姿になりました。色はやっぱりライアっぽい赤で、年月を重ねた現在の手塚をイメージして、衣裳を選んでもらいました。

――ひさびさに変身ポーズを取ったときの心境はいかがでしたか。

ほんとうに久しぶりでしたが、特に違和感はなかったですよ。でも、変身!とポーズを決めてから、どういったタイミングでバックルにカードデッキを装填するのか、詳しく覚えていないですから、そういう戸惑いはありました。終始こんな感じだったかな、と思い出しながらやっていた感じです。変身に関しては、今回初めて出演する若いキャストたちも苦戦していたようですね。

――若い仮面ライダーたちに、何か先輩としてアドバイスされたことはありますか?

まあ「特撮」番組ならではといえるキャラクターへのアフレコは、かなり経験がありますからね。今回だと、エビルダイバーがぶつかってきた時の声の出し方とか、ちょっと助言めいたことを言ったことがありました。こういうときは当たった瞬間に声を出したほうがメリハリがつくよ、とか。アフレコは慣れているかいないかで、やりかたに違いが出てくると思います。でもあまり経験者っぽく言い過ぎると、お前も出来てないじゃないかって思われるので、僕も基礎から勉強していかないと(笑)。

――改めて高野さんが考える『仮面ライダー龍騎』の魅力とは何でしょう?

『龍騎』は平成仮面ライダーの3作目なんですよね。『クウガ』『アギト』と来て、『龍騎』で続々と奇抜な仮面ライダーが出てきて、視聴者の方々はびっくりしたんじゃないでしょうか。ストーリーもそうなんですけれど、『龍騎』は"仮面ライダーっぽくない"というところが衝撃的だったんじゃないかと思います。今では、『仮面ライダーエグゼイド』(2016年)みたいな、『龍騎』を上回るほど突飛なライダーがいますけれど(笑)。

――当時は"イケメン"ヒーローを応援する若いお母さま方を中心に大きなブームを生み出されましたが、そんなヒーローブームを実感された出来事なんてありますか。

あのころ『龍騎』の俳優が出ている特撮雑誌が、たくさん出ていましたね。情報誌なども含めて、実家に今でも保管してあるのですが、今見返すと「こんなのがあったのか」と驚きます。改めて、当時の注目ぶりがわかりますね。奥さま方に人気があるとはそれほど実感がなかったのですが、役者たちが集まって大きなイベントを2度ほどやった覚えがあります。

『龍騎』のテレビシリーズを振り返ると、それぞれ別々の"願い"を持っている複数の仮面ライダーが出てきて、視聴者のみなさんがそれぞれどれかに共感できる仮面ライダーのストーリーがあったからじゃないかな、なんて思います。あれだけたくさんの仮面ライダーが出てきても、1人として何も活躍しないまま消えていくとかではなくて、それぞれのストーリーがしっかりと描かれていたことがいいんでしょうね。1人1人のライダーの個性がとても強く、濃厚だったことが魅力といえるでしょう。

――それでは最後に、スピンオフドラマ『RIDER TIME 仮面ライダー龍騎』の見どころを教えてください。

『龍騎』テレビシリーズからかなりの"進化"を遂げたCG映像にまず着目してほしいですね。そして手塚のシーンとしては"占い"をするところがありますので、ここはぜひ観てください。コインとタロットカードで占いをするのですが、コインを指ではじくのが難しかったなあ(笑)。また、やはり手塚といえばあのセリフ「俺の占いは当たる」ですが、さて本編で出てくるかどうか、これは配信を楽しみにしてください。あと、手塚の見どころならもうひとつありました。シャワーシーンです(笑)。おっさんのシャワーシーンを観て、誰が喜ぶんだという気持ちもありますけれど、そういう考えは置いておいて、今ではなかなか挑戦できないシーンですので、今回はそういうことも含めて「仮面ライダー」シリーズをやれてよかったです。みなさん、『龍騎』は全3話で配信されますので、どうぞお楽しみに!!

ビデオパス+東映特撮ファンクラブ共同企画プレミアムドラマ『仮面ライダージオウ スピンオフ RIDER TIME 仮面ライダー龍騎』は、第1話が3月31日0時から、第2話は4月7日0時、第3話は4月14日0時から、ビデオパスにて独占配信される。

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