• 田中れいな

――舞台もライブを両立されていますが、相乗効果のようなものは感じますか?

舞台経験はソロライブにも生きていると思います。ソロライブも完璧にこなさないと自分の中で許せなくなり、リハーサルをする時間がめちゃくちゃ増えました。本番で100パーセントになるように練習では120パーセントにする、ということを実践しています。舞台に出て心が鍛えられましたね。また、ほかの俳優さんのファンの方に自分がどう見えているのかという意見も勉強になります。

――“失敗は成功の母”みたいなことですよね。

そういう声って、本当の意見だと思うんです。応援してくれている方々は「よかった」と言ってくれるはずと思っているところがあって、そうじゃない方たちが「田中れいなでよかった」と言ってくれたら本当の評価なのかなって。厳しい意見があっても受け入れたいと思うし、それは自信にもつながっていく。新しい自分に出会える場所が舞台なんです。その自信がつくと、もっと試してみようと自分のパフォーマンスも変わって、ライブにもいい影響が出てくるので、どっちも続けていきたいです。

――映画やドラマなどの映像作品などもあるなか、舞台に注力していますよね。

映画やドラマなどにも出させていただく機会があれば、そちらも頑張りたいとは思っています。今はありがたいことに舞台のお話が続いていて、私自身が舞台しか取り組まないと決めていることではないんです。でも、舞台は稽古期間が長いので安心できます。

――一発勝負の舞台は苦手と言われる方が少なくないなか、やはりアイドルとしての活動が生きているのでしょうか。

ステージの上では、緊張や不安があってもいつの間にか消えるんです。確かにモーニング娘。での経験が生きているのかもしれません。ドラマの現場だとカメラはあるけれどお客さんはいないので、誰に向けてやればいいかわからなくなるんです。ただ、舞台はごまかせない。ライブは歌詞を間違えると悔しいけれど、流れていってくれるので。

―一セリフは鼻歌でごまかせないですからね(笑)

今のところセリフを飛ばしたことがないですが、最初はセリフが飛んでしまったらどうしようと思っていました。少し経験をすると、飛ばしたらどうしようではなく、かんだらどうしようになってくる。『信長の野望』という舞台はセリフがすごく難しくて、初演の時はすごくかんでしまい自信を失くしました。でも2回目の時はスムーズにできて、また5月にもあるのですが、3回目はそこまで心配していません。

  • 田中れいな

■「元モーニング娘。」のままでいい

―一今は「元モーニング娘。」や「モーニング娘。OG」という枕詞が付いていますが、何でありたいという願望はあるのでしょうか?

私は「元モーニング娘。」のままでいいと思っています。現役の子たちが頑張っていてくれるからこそ「元モーニング娘。」と名乗っていいわけで、すごく感謝しています。今はやりたいことがたくさんあって、歌もお芝居も好きで、以前『おねがい マイメロディ きららっ』で声優をさせていただいたこともあるんですけど、声優にも興味があるんです。ミュージカルにも惹かれますし、今は自分が何に向いているかわからない状態なので、私はこれって決めるのではなく、いろいろな仕事をやっていけたらと思っています。

■田中れいな
1989年11月11日生まれ。福岡県出身。2003年、第6期メンバーとしてモーニング娘。に加入し、同年7月発売の19thシングル「シャボン玉」でCDデビューを果たす。2013年にモーニング娘。とハロー!プロジェクトを卒業した後は、LoVendoЯとしての活動のほか、主演舞台やミュージカル、ソロでのライブ活動など多方面で活躍中。2019年は、4月6日よりミュージカル『悪ノ娘』にて主演リリアンヌ役、5月18日より舞台『信長の野望』にてお市役を演じることが決定。そして8月、全国8都市で公演を行う「2万人の鼓動TOURSミュージカル『赤毛のアン』」主人公アン・シャーリー役を演じる。同作は17年連続17回目の公演で、過去に同じくモーニング娘。OGの高橋愛が2013年以降2年連続で演じた。
■「2万人の鼓動 TOURSミュージカル『赤毛のアン』」
全席無料招待制のミュージカルで、8月17日の北海道(札幌)公演を皮切りに、東北(仙台)、関東(大宮・港区)、東海(名古屋)、近畿(大阪)、九州(福岡)、中国四国(広島)と日本全国主要8都市にて公演。チケットが当たるオープンキャンペーンは4月から実施予定。