アイドルグループ・Sexy Zoneの中島健人と女優の土屋太鳳が、フジテレビ開局60周年特別企画ドラマ『砂の器』(28日19:57~22:54)で、ラブシーンを披露する。この演出の裏側を、同局の河毛俊作監督が明かした。
中島演じる天才作曲家・和賀英良の愛人である成瀬梨絵子役を演じる土屋がクランクインした日は、英良が人を殺めた後、梨絵子の自宅マンションに駆け込むというシーンを撮影。英良には婚約者がおり、決して自分とは結ばれない関係だと理解を示す梨絵子だが、彼が自分を頼ってマンションに来てくれたことに喜びを感じていた。ただことではない状況を察した梨絵子は彼をやさしく包みつつも、2人は静かにたたずんでいる…という場面だ。
河毛監督は、2人に対して、「一般的なラブラブな物語ではない、虚脱した状態、ぎりぎりの愛。70年代のフランス映画のイメージだと伝えました」という。「今作において、恋愛というのは幸せになるためのものではない、自分を失い転げ落ちていくもの…そういうイメージでやってください、と。2人は、感じ取る力があり本当によくやってくれたと思っています」と絶賛する。
中島については「表情は、エゴイスティックな中にもしっかりとせつなさがあふれていて、重層的。『太陽がいっぱい』(1960年、仏・伊合作映画)のアラン・ドロン的な魅力があふれていました。梨絵子とのベッドシーンも美しかったし、別れのシーンも特に良かったと思います」と評価。
一方の土屋については「梨絵子は天使でもあり悪魔でもあり、普通の恋愛ドラマとは違う難しい役だと思います。衣装合わせのときに梨絵子はコートにロールアップしたデニムを合わせるなどある意味ストイックな女性で“ジェーン・バーキンがイメージ”と土屋さんに伝えたのです。すると、土屋さんから『私もジェーン・バーキンが好きです』と言われ、すぐに飲み込んでくれたのが良かったです」と手応えを振り返った。
この2人のシーンは、今作の軸となる殺人事件の行方に大きな影響を与える場面となっている。
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