• 大友花恋

――『王様のブランチ』の準レギュラーが決まった時、ブログには「私にできるのかな、私でいいのかな、っていう不安。パパとママ、喜んでくれるだろうな、っていう興奮。それが、驚きのあとに感じたこと」(2017年3月23日)とつづられていました。「テレビ大好き家族」だからこその文面ですね。

本当に一視聴者として毎週楽しんでいた番組だったので、決まった時はとてもうれしかったです。

――そうやって、ご家族が楽しんでいるのが何よりも支えになりますよね。ご両親は芸能界に抵抗なかったんですか?

ずっと応援してくれています。小学校6年生の時に今の事務所に入ったのですが、当時群馬から通っていたので付き添ってくれたり、オーディションの台本の相手役になってくれたり。いつも、支えてもらっています。

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――読者モデルには自ら応募して、その後、お母様が今の事務所のオーディションに応募したそうですね。

読者モデルがとても楽しくて、お母さんに「もっとやりたい!」と相談したら、「どこか事務所に入ってみる?」と言われて。それで探してくれたのが、今の事務所です。オーディションを受けた後、お母さんから「もしダメだったら思い出にして終わりにしようね」と言われていたぐらいで、「ダメだったら次!」みたいな執着ではなくて、「楽しい! もっとやりたい」みたいな気持ちだったんです。ありがたいことに、その流れで今に至ります。

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――デビューして7年。理想と現実のギャップを感じることは?

撮影現場はイメージ通りでした。やっぱり、キラキラしていて。「何かを作り上げたい」という志を持っているスタッフの皆さんとお話をしたり、お仕事をしたりするのがとても楽しいのですが、唯一感じるのが自分の不甲斐なさ。お芝居、モデルのポージング、バラエティ……いろいろな場面で自分の力不足を感じて、その自分のギャップが悔しくて、申し訳ない気持ちがありました。「まだまだ……」と感じる瞬間がたくさんあります。

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――幅広く活動してきたからこそ、見えてきたことかもしれませんね。

そうですね、お仕事の内容は違っていても、互いに補い合うこともあって。『ブランチ』で学んだトレンドが雑誌で役に立ったり、雑誌で学んだことがドラマの現場で活かされたり、ラジオでの話し方が別の仕事に……みたいに。違うことを考えていながら、「あの時のあれがここに役に立っていた!」と分かる瞬間がたくさんあって、そういうこともとても楽しいです。

■「自分の歴史年表」を考える理由

――『いつか、眠りにつく日』では、「未練」がテーマになっています。台本を読みながら、この「未練」についてはどのようなことを考えましたか?

取材で聞かれることがあったので考えていたのですが、未練というほど深く後悔したことが自分の中ではまだなくて。後悔よりも深い苦しみや悲しみが自分の中に残って、それが未練になるのかなと台本を読みながら考えていました。だからこそ、未練を解消していくシーンではそれをとても意識しました。蛍ちゃんにとって、どれだけ重いことだったのか、どれだけ大切にしたかったことなのか。とても濃くて、幸せな2週間の撮影でした。

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――日常のささやかな幸せを見つめ直すきっかけにもなりそうな作品ですね。

そうですね。日常のかけがえのなさ、大切な方に思いを伝えられる幸せ……みなさんに届けられることがたくさんあると思います。でも、気負わずにラフに観てもらえる作品でもあって。クスッと笑えるシーンや、女の子がキュンとする瞬間もたくさんあるので、そこも楽しんでもらえたらと思います。

――昨年末のブログには、「例えば死ぬ前に、自分の歴史年表を作るとします。長い人生の中で、この出来事は外せない。年表に入れていたい。と思える出来事に溢れる、年にしたいと毎年思います」と書かれていたのですが、いつもこの「歴史年表」が思い浮かべながら仕事と向き合っているんですか?

マネージャーさんに、「今年は、この作品の夏だね。こうやって、役や作品がその年と結びつくんだよ」と言われたことがありました。

自分にとって印象的な何かがある年にしたいと、それからとても思うようになって。ひとまず、2019年の春までは、『いつか、眠りにつく日』の春。歴史年表に刻む作品にしたいと思って臨みました。これからも、歴史年表に書きたいことでいっぱいになる毎日を送ることができたらいいなと思います。

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    大友花恋オフィシャルブログより

■プロフィール
大友花恋
1999年10月9日生まれ。群馬県出身。2012年、ドラマ『悪夢ちゃん』(日本テレビ系)で地上波連続ドラマ初出演を果たし、「ミスセブンティーン2013」でグランプリを受賞して専属モデルに。2016年、第95回全国高等学校サッカー選手権大会の第12代目応援マネージャーに就任。これまで、『恋仲』(15)、『こえ恋』(16)、『チア☆ダン』(18)などのドラマ、『大人ドロップ』(14)、『金メダル男』(16)、『君の膵臓をたべたい』(17)などの映画に出演の他、レギュラーラジオ「クラスメイトは大友花恋!」(文化放送)など多方面で活躍。2019年4月スタートの日本テレビ系『あなたの番です』(毎週日曜22:30~)にレギュラー出演する。