興行収入30億円突破の映画『カメラを止めるな!』を製作したENBUゼミナールは27日、公式サイトを通じ、クレジット表記に関して関係各所の合意が得られたことを報告。また、今後の同作に関連するプロジェクトにおいても、「お互い協力し展開していく」という。

  • カメラを止めるな!

    映画『カメラを止めるな!』上田慎一郎監督と出演者(2018年9月撮影)

和田亮一氏は昨年8月、自身が主宰していた劇団・PEACE(2014年に解散)の舞台『GHOST IN THE BOX!』の内容が、『カメラを止めるな!』の構成をはじめ、多数の類似点があると主張。「原案」ではなく「原作」として扱うことを求めていた。

一方、『カメラを止めるな!』の脚本・編集を手掛けた上田慎一郎監督は、同舞台から着想を得たことを公言していたが、著作権侵害については否定し、「和田さんや劇団の方の主張にもしっかり耳を傾け、お互い円満な解決が出来ればと思っています」と事態の収束を願っていた。

今回の発表でENBUゼミナールは、「本映画のクレジットは、和田氏と上田監督それぞれのオリジナル性をお互い尊重する気持ちを汲んだ内容としております」と報告。「クレジットの合意などに関する関係者への取材などは固くお断りいたしますので何卒よろしくお願い申し上げます」「最後に、本映画のファンの皆様、関係者の皆様には、これまでご心配・ご迷惑をおかけいたしました事、心よりお詫び申し上げます。今後とも、将来を期待できる才能あふれるクリエイター達を応援いただけますと幸いです」と呼びかけている。

■日本語版における表記
共同原作: 和田亮一 上田慎一郎
企画開発協力: 荒木駿 大坪勇太(劇団PEACE)
Inspired by:「GHOST IN THE BOX!」(和田亮一/劇団PEACE)

■英語及び他の外国語版における表記
Joint Original Work: Ryoichi Wada、Shin-ichiro Ueda
Planning and Development Co-operation: Shun Araki、Yuta Otsubo (PEACE Theater Group)
Inspired by: “GHOST IN THE BOX!”(Ryoichi Wada/PEACE Theater Group)

■和田亮一氏コメント
まずはこの件で「カメラを止めるな!」ファンの皆様に多大なご心配をお掛けしたことをこころよりお詫び申し上げます。

上田監督、市橋プロデューサーや元劇団員と話し合いを重ね、お互いの気持ちを理解しあった上で本日を迎えることができました。

この作品がたくさんの方々に愛され、多くの賞を受賞し、世の中に残っていく作品になったことを誇りに思います。そして同時に、これから先、共に創作をできるということを嬉しく思います。

■上田慎一郎監督コメント
両陣営で冷静に話し合いを重ねた結果、“お互いのオリジナル性がなければ産まれなかった作品”ということで気持ちが一致しました。

「カメラを止めるな!」を応援してくれているファンの皆さま、ご心配をおかけしてしまい、申し訳ありませんでした。

今後は本作を益々多くの方々に楽しんで頂けるよう、また、本作にまつわる今後の展開についても、お互いに協力しあって創っていければと思っております。

■ENBUゼミナール代表取締役社長 市橋浩治コメント
両者の才能により、「カメラを止めるな!」は非常に大きな成功を収めることができ、そして、今後は協力し展開することとなったこと喜んでおります。

ファン、そして応援いただく皆様の期待に応えられます様、今後とも頑張ってまいります。