1月スタートの冬ドラマもいよいよ終盤戦に突入。視聴率では沢村一樹主演の『刑事ゼロ』(テレビ朝日系)が安定した視聴率でトップに立っているが、視聴者の“満足度”という点ではどうだろうか。この視点で、冬ドラマの盛り上がりを探っていく。
・対象局:NHK Eテレを除く地上波6局(NHK総合、日本テレビ、テレビ朝日、TBSテレビ、テレビ東京、フジテレビ)
・サンプル数:関東1都6県、男性480+女性480=計960
・サンプル年齢構成:「10~19歳」「20~34歳」「35~49歳」「50~79歳」各年代男女120サンプル
・調査方法:朝帯からゴールデン・プライム帯のレギュラー番組について月に1度、満足度と感想を収集するウェブ調査
・採点方法:最高点「5」、最低点「1」の5段階評価
連続性のあるストーリーが魅了
テレビの視聴状況を独自に調査している「テレビ視聴しつ」(eight社)によると、1月度の月間満足度調査ドラマ部門(NHK朝ドラ~23時台の深夜ドラマ)でトップだったのは、菅田将暉主演の『3年A組-今から皆さんは、人質です-』(日本テレビ系、毎週日曜22:30~)で4.09(5段階評価)。1月スタートの調査対象ドラマ19作品の中で、唯一4ポイントオーバーの高数値を記録している。
特に10代の支持が高く、ティーン層の満足度は4.18で、ここでも4ポイントオーバーは今作のみ。その10代視聴者の感想を見てみると、「菅田将暉の演技がすごすぎて釘付け。生徒役の皆も流行りの人達が多く使われていて楽しい」(18歳女性)、「大好きで毎週見てます!先生の生徒に必死に語りかけているところが凄く好きで生徒と自分を照らし合わせて見てます!」(13歳女性)、「毎週楽しみです! まさかの展開や先が読めないストーリーが面白い! 周りの友達もほとんど見てる!」(14歳女性)など、旬ぞろいのキャスティングや、同年代がより共感できる学園ドラマ、そして1話完結のドラマが多い今クールで、毎週見逃せない連続性のあるストーリーが視聴者を魅了しているようだ。
また、親世代からも「セリフひとつひとつが心に残ります。真剣に見入ってしまいます」(59歳女性)、「子どもにもしっかり見せたい大切な番組。たくさんの学びがある」(40歳女性)など高評価で、全世代を巻き込んだヒット作の予感だ。
コア視聴者に刺さる『トクサツガガガ』
満足度第2位は、小芝風花主演の『トクサツガガガ』(NHK総合、毎週金曜22:00~)で3.98。連続ドラマ初主演となる小芝という決して派手ではないキャスティング、そして特撮をこよなく愛する “オタク”が主人公という広く共感を得られないようなテーマだが、コアな視聴者にはかなり深く刺さっている。
「最高におかしいです。涙が流れるほど笑ってしまいます」(49歳男性)、「独自のスーパー戦隊の特撮が思っていたより良くてびっくり」(47歳男性)、「特撮オタクのことをちゃんと描いていてストーリーも面白い」(22歳男性)など、劇中で登場する“特撮キャラ”のクオリティーの高さも高評価の理由になっている。また、特撮を見て育った男性視聴者の共感度が高いからか、今クールで唯一、視聴者数がドラマをよく見る女性視聴者を上回った。