「協議の結果、この件はオミットした」と部長から報告があったけど、「オミットした」ってどういう意味? コミットじゃないの?

  • オミットの意味を理解していますか?

というわけで今回は、「オミット」について解説します。

オミットとは

オミットとは、「省く」「抜かす」という意味の英単語【omit】から来たカタカナ用語で、ビジネスシーンでは、「除外する」「省く」「却下する」といった意味で使われています。

オミットの使い方と例文

オミットを使うときは、「オミットする」「オミットされる」という形で使うのが一般的です。例えば、「リストからオミットする」といえば「リストから除外する」という意味に、「企画がオミットされた」なら「企画がボツになった」という意味になります。

(例文)
・この工程をオミットしても問題はありません。
・3社からあいみつ取りましたが、予算の都合上B社はオミットします。
・社内コンテストの結果、うちのプランはオミットされた。
・この回路は不安定なのでオミットしましょう。
・休憩室の修繕を申請していたが、今回はオミットされてしまいました。
・きみをプロジェクトメンバーからオミットすることにした。

「除外する」「省く」「却下する」、いずれもネガティブな言葉だけに、相手に直接言いにくいこともあるでしょう。そんな時にオミットを使うと、少々柔らかいニュアンスで相手に伝えることができます。

オミットとコミット

よく似た言葉に「コミット」がありますが、コミットはオミットの対義語で、責任を伴う「約束」「誓約」などの意味を持っています。

テレビCMの「結果にコミットする」というフレーズが話題になりましたが、もしこれが、コミットではなくオミットだったならば、「結果が失われる=失敗する」という意味になってしまうでしょう。

一字違いの類似した言葉ですが、全く反対の意味になってしまいますので、注意しましょう。

音楽業界の「オミットコード」とは

オミットは、コミットに比べてあまり聞き馴染みのない言葉ですが、音楽業界では、「コードの構成音からある音を省略する」ことを意味する言葉としてよく使われています。

例えば、「omit3(オミット・サード)」と楽譜にある場合には、「3度の音を省略して弾きなさい」という指示で、ド(1度)、ミ(3度)、ソ(5度)から構成される「C」コードの場合は、3度のミを除いたドとソで弾くことになります。

また、演奏のやりとりの中で「○○の音をオミットして」と言われることもありますので、音楽関係の人は、是非覚えておきましょう。


あまり聞き慣れない言葉かもしれませんが、音楽業界やIT業界をはじめ、業種や職場によってはよく使われる言葉です。

自分が使うことはなくても、相手が使ってきた時に理解できるよう、「コミット」と「オミット」、セットで覚えておくと良いでしょう。