近年、あちらこちらで「IoT」という文字を目にするようになりました。一瞬「顔文字か? 」と思ってしまうような文字ですが、今では私たちの生活の中に、多くのIoTが存在しています。そこで今回は、今さら聞けない「IoT」について解説します。

  • 今さら聞けない「IoT」の意味とは - 事例も紹介【ビジネス用語】

    「IoT」いまだに顔文字と思っている人、いません?

■「IoT」とは

「IoT」は、「Internet of Things」の略語で、読み方はそのまま「アイオーティー」です。日本語では「モノのインターネット」と呼ばれています。

インターネットとは関係のなかった「あらゆるモノを、ネットワークに接続することによって、これまでとは異なる多様な価値を見いだす仕組みのこと」で、自動認識や自動制御、遠隔操作などがその最たるものになります。

■「IoT」の事例

従来、パソコンやスマートフォンといった通信機器はインターネットと繋がっていましたが、今では、そういった通信機器ではないモノでも、インターネットと繋ぐことでさまざまな機能を実現させることが可能です。そんなIoTの実例を、いくつか紹介しましょう。

スマート農業
ハウス栽培などでは、温度や湿度といったハウス内の環境状態や、収穫物の糖度・熟成度などを常にモニタし、その結果を把握・分析することで、水遣り・農薬散布・除草・収穫などの作業計画を予測・立案。種まきから出荷までの全工程を、GPSを搭載したロボットが行うことができます。

Amazonダッシュボタン
Amazon専用の注文ボタンで、飲料や日用品を中心に取り扱われており、キーホルダー程度の小型なダッシュボタンには、Wi-Fi接続機能が搭載されています。たとえば、それぞれのストックの場所に置いておけば、在庫がなくなった時にその場でボタンを押すだけで、アマゾンへの注文が完了します。いちいちパソコンやスマホにログインする必要はありません。

スマート家電
自宅の家電とスマホを連携させることで、さまざまな機能が実現します。たとえば、外出先から鍵のかけ忘れをチェックしたり、子どもやペットの様子を確認したりすることも。また、各家電のリモコンと連携させれば、電源のON・OFFはもちろんのこと、テレビの予約なども遠隔操作することが可能です。

その他にも、すでに実現または開発中のIoT機能が続々と登場しています。

・高齢者の生活を見守るための安否確認サービス
・自動車の自動運転技術
・街中のゴミ箱の蓄積状態を把握し、無駄な収集作業を省くスマートゴミ箱
・運転手の健康状態を計測し事故を未然に防ぐ、衣服型のウェアブルデバイス
・離島など、自宅にいながら診察を受けられる遠隔診療サービス
・駐車場の空き情報をリアルタイムに教えてくれるサービス

■「IoT」の課題

IoTは非常に便利なシステムですが、インターネットを通して膨大なデータを取り扱うため、セキュリティ対策が重要になります。セキュリティが甘いと、情報漏えいやハッキング、プライバシーの侵害などのさまざまな被害が想定されます。日本におけるIoTは、まだまだこれから発展する市場と言えます。IoTの今後の発展のためには、さらなるセキュリティの強化が必要不可欠でしょう。


無人で自動車が走行するなんて、一昔前までは夢のように思っていましたが、IoTによって今、実現しようとしています。今後どのような機能が開発されるのか、IoTによって私たちの生活がどう変わるのか、とても楽しみですね。