京浜急行電鉄は19日、空港線天空橋~羽田空港国内線ターミナル間と他の区間をまたがって乗車する場合に設定していた加算運賃を引き下げると発表した。あわせて空港線で設定された特定運賃は廃止となる。2019年10月1日からの実施を予定している。

  • 京急電鉄が空港線の加算運賃を引き下げ

現在、京急線主要駅から羽田空港国内線ターミナル駅までの現行運賃は、泉岳寺駅から448円(ICカード)・450円(きっぷ)、品川駅から407円(ICカード)・410円(きっぷ)、京急蒲田駅から335円(ICカード)・340円(きっぷ)、京急川崎駅から407円(ICカード)・410円(きっぷ)、横浜駅から478円(ICカード)・480円(きっぷ)などとなっている。

空港線では延伸工事や輸送力増強工事に要した設備投資額などを回収するため、天空橋~羽田空港国内線ターミナル間と他の区間をまたがって乗車する場合に加算運賃を設定しており、現行運賃は170円。そのため、羽田空港国際線ターミナル駅・羽田空港国内線ターミナル駅などを利用する際、他の区間と比べて運賃が割高となる。一方、京急蒲田駅・糀谷駅・大鳥居駅・穴守稲荷駅と羽田空港国際線ターミナル駅・羽田空港国内線ターミナル駅の相互間で乗車する場合、20~30円割引となる特定運賃が適用されていた。

京急電鉄の今回の発表によれば、空港線天空橋~羽田空港国内線ターミナル間の利用者が堅調に増加し、加算運賃収入等による設備投資額等の回収も順調に進捗していることから、加算運賃を引き下げるとのこと。改定運賃は50円とされ、現行運賃より120円引下げとなる。加算運賃の引下げと合わせ、京急蒲田駅・糀谷駅・大鳥居駅・穴守稲荷駅と羽田空港国際線ターミナル駅・羽田空港国内線ターミナル駅の相互間で設定していた特定運賃を廃止することも発表。ともに実施時期は2019年10月1日とされている。

これにより、京急蒲田駅・糀谷駅・大鳥居駅・穴守稲荷駅から羽田空港国際線ターミナル駅・羽田空港国内線ターミナル駅への運賃は90~100円引下げ、他の京急本線など各駅から羽田空港国際線ターミナル駅・羽田空港国内線ターミナル駅への運賃は120円引下げとなる。京急線主要駅から羽田空港国内線ターミナル駅までの改定後の運賃は、泉岳寺駅から328円(ICカード)・330円(きっぷ)、品川駅から287円(ICカード)・290円(きっぷ)、京急蒲田駅から245円(ICカード)・250円(きっぷ)、京急川崎駅から287円(ICカード)・290円(きっぷ)、横浜駅から358円(ICカード)・360円(きっぷ)などとされた。

これらの改定にともない、通勤定期・通学定期も現行の運賃から一定額の引下げが実施される。なお、2019年10月1日に消費税率10%への引上げも予定されており、これにともなう鉄道運賃改定については今後、変更認可申請を行う予定。「消費税率引上げが実施された場合には記載の金額から変更となります」と京急電鉄は説明している。