声優とアイドルのハイブリッドユニットのi☆Risが、2月13日に17枚目のシングル「Endless Notes」をリリースした。

  • i☆Ris(アイリス)。2012年7月7日結成、同年11月7日にシングル「Color」でメジャーデビュー。レコード会社エイベックスと声優事務所81プロデュース主催の「アニソン・ヴォーカルオーディション」合格者6名で結成し、声優とアイドルの活動を両立するハイブリッドユニット

    i☆Ris(アイリス)。2012年7月7日結成、同年11月7日にシングル「Color」でメジャーデビュー。レコード会社エイベックスと声優事務所81プロデュース主催の「アニソン・ヴォーカルオーディション」合格者6名で結成し、声優とアイドルの活動を両立するハイブリッドユニット

「Endless Notes」は、現在放送中のTVアニメ『グリムノーツ The Animation』のEDテーマでもあり、メンバーの久保田もシェイン/アリス役として出演している。今回は彼女たちにシングルについてはもちろん、2018年の振り返りや2019年の目標、そして『グリムノーツ』にちなんで好きな本などについて、じっくりと話を聞いた。

■i☆Ris、初の海外

――今回はまず2018年を振り返ってもらおうかなと。昨年はどんな1年でしたか?

若井 やっぱりi☆Risとして初めて海外(台湾開催「超!アニメディア劇場 LIVE in TAIWAN 2018」/ロサンゼルス開催「Anisong World Matsuri at Anime Expo 2018」)でライブをしたのが大きいですね。こんなにもi☆Risを知ってくれている方が多いんだなって思いました。それだけアニメの文化はすごいんだなって。コールも日本と変わらなくてびっくりしました。

久保田 海外といえば、「Anime Expo 2018」でロサンゼルスに行ったとき、私とずっちゃんだけ空き時間があったのでイベント会場を回っていると、『プリパラ』のコスプレをしている方たちに会ったんですよ。熱量がすごかったよね。

澁谷 「スゴクステキデス!」って。

若井 わかってくれたんだ!『プリパラ』の声優だって。

久保田 ふたりともすっぴんだったんだよ。

澁谷 その時の私は髪が緑色だったのにね、Twitterを見ていたらわかるかもだけど。普通に歩いていたら「ズッチャン! ミユタン!」って。イントネーションは違うんですよ。でもニックネームを知っていてくれて、うれしかった。

久保田 そー! コール本とかを作って、それを見せてくれてね。

澁谷 ローマ字でコールが書いてあるの。

若井 私、レオナのコスプレをしている人に「リラックスー!」って言ったら、「ア、センキュ」って。本人とは思われなかったんですよ(笑)。

  • 山北早紀(やまきたさき)。1991年2月28日生まれ。北海道出身。エイベックス・ピクチャーズ、81プロデュース所属。ニックネーム:さきさま。主な出演は『アイドルタイムプリパラ』東堂シオン/プニコン役、『ブラッククローバー』エリカ・シターテ役、『ハンツー×トラッシュ』速水真紀役、『ベイブレードバースト』高木アツト役、『這いよれ!ニャル子さんW』ツル子役など(左)
    芹澤 優(せりざわゆう)。1994年12月3日生まれ。東京都出身。エイベックス・ピクチャーズ、81プロデュース所属。ニックネーム:ゆう。主な出演は『アイドルタイムプリパラ』南みれぃ/チュッペ役、『キラッとプリ☆チャン』赤城あんな役、『魔法少女サイト』穴沢虹海役、『賭ケグルイ』夢見弖ユメミ役、『上野さんは不器用』上野役など(中)
    茜屋日海夏(あかねやひみか)。1994年7月16日生まれ。秋田県出身。エイベックス・ピクチャーズ、81プロデュース所属。ニックネーム:ひみ。主な出演は『アイドルタイムプリパラ』真中らぁら役、『キラッとプリ☆チャン』金森まりあ役、『魔法少女サイト』奴村露乃役、『終末のイゼッタ』イゼッタ役、『Dance with Devils』立華リツカ役、『ミイラの飼い方』茂木朝役など(右)

■キャラソンではないけどキャラの感情を

――『魔法少女サイト』主題歌「Changing point」で初の深夜アニメタイアップも印象深いですね。

芹澤 『魔法少女サイト』はこれまでの『プリパラ』のイメージから一転ダークな作品だったので、印象が変わったなって思う方もいると思います。「アニサマ」で披露したときも盛り上がって、隅々まで知ってくれている方がいるという実感ができて嬉しかったです。

澁谷 「Changing point」はアニソン好きの方にも刺さる楽曲だったかなって。この曲をきっかけにして知り合ったクリエイターさんも多かったんですよ。「アニサマ」でも6人全員がカメラに抜かれてモニターに表示される演出があって、それは齋藤Pさん(「アニサマ」総合演出担当・齋藤光二氏)がこだわって作ってくださったんです。

山北 私はi☆Ris警察としてTwitterを監視しているんですけど(笑)。「Changing point」でi☆Risを知ってくださった方が多いんです。でも、2018年ってあまりファンの方と直接会うイベントが少なかったんですよ。ファンクラブイベントはあったんですけど。なので、今年はリリースイベントで直接会えるのが楽しみですね。

  • 若井友希(わかいゆうき)。1995年10月30日生まれ。岐阜県出身。エイベックス・ピクチャーズ、81プロデュース所属。ニックネーム:ゆうき。主な出演は『アイドルタイムプリパラ』レオナ・ウェスト役、『キラッとプリ☆チャン』緑川さら役、『賭ケグルイ』皇 伊月役、『賢者の孫』マリア=フォン=メッシーナ、『八十亀ちゃんかんさつにっき』只草舞衣役など(左)
    久保田未夢(くぼたみゆ)。1995年1月31日生まれ。埼玉県出身。エイベックス・ピクチャーズ、81プロデュース所属。ニックネーム:みゆたん。主な出演は『アイドルタイムプリパラ』北条そふぃ/ポワン役、『キラッとプリ☆チャン』萌黄えも役、『ラブライブ! スクールアイドルフェスティバルALL STARS』朝香果林役、『邪神ちゃんドロップキック』メデューサ役、『グリムノーツ The Animation』シェイン/アリス役など(中)
    澁谷梓希(しぶやあずき)。1993年8月11日生まれ。埼玉県出身。エイベックス・ピクチャーズ、81プロデュース所属。ニックネーム:ずっちゃん。主な出演は『アイドルタイムプリパラ』ドロシー・ウェスト/ピツジ役、『舟を編む』海くん役、ディズニー・チャンネルアニメ『ライオン・ガード』バンガ役、『ガッチャマン クラウズ インサイト』名尾さおり役など(右)

    ――それでは新曲「Endless Notes」について。最初に聴いたときの印象は?

    澁谷 こういった雰囲気や曲調の楽曲を歌うのは初めてに近いんですよ。近いイメージだと「イチズ」くらい。これまでギターやシンセトラックが多かったんですけど、今回はオーケストレーションがメインで、これは6年一緒にやってきた今のi☆Risだから表現できる楽曲だなって。でも、これまでi☆Risとして培ってきた自分の歌い方で表現できるのかなって思った部分もありました。

    若井 これまでi☆Risのレコーディングのディレクションだった方が、今回はじめて歌詞割を担当してくださったんです。i☆Risのことを知ってくださっているからこその歌詞割で、これまでの楽曲はユニゾンが多かった中、今回はサビ以外はほぼソロパート。落ちサビの最後のパートが私だったんですけど、「いただいたからには、しっかり決めたいな」という使命感を持って挑みました。あと、新しい音楽チームにはi☆Risをあまり知らない方もいるので、紹介する意味でもがんばろうって力が入りました。

    茜屋 私は「今なら歌える」と思いました。明るい楽曲をたくさん経験してきて、ついに得意な楽曲に戻ってきたな!と。かわいい系の楽曲は「かわいくしよう!」と意識してやっていたんですけど、実はバラードのほうが得意なんですよ。なので今回は、自分の強みを生かして歌えたように思います。

    山北 私もかわいい系の曲より、自分の味が出せるかなと思いました。いつもはレコーディングでは変な邪念というか、迷いがあるんですよ。普段はそれをディレクションで直していくんですけど、今回はそれがなく、自然と歌えました。神聖な気持ちでしたね。

    芹澤 今回は歌い出しを任せていただいたんですよ。『プリパラ』シリーズの主題歌のときはキャラクター的な理由もあって、自分のソロから始まることはなかったんですよ。「Changing point」のひみちゃんの歌い出しが美しいなって思っていて、曲の印象は最初に決まるので、「じゃあ私はどう歌おう」って。ミドルテンポだからこそできる細かい感情表現を自分なりに考えました。キャッキャしているジャンルのほうが得意なので(笑)。

    ――芹澤さんはソロ活動でバラードも歌っているので、それが生かされたのかな。

    芹澤 昔はもっと苦手意識が強かったですからね。歌っているときは気持ちがいいんですけど、終わったあとに悔しくなることが多かったです。「ほかのメンバーのほうがうまく歌えてるなー」って。

    ――「Endless Notes」はTVアニメ『グリムノーツ The Animation』のエンディングテーマ。久保田さんはアニメはもちろん、もともとのアプリゲームのときから出演されていますね。

    久保田 はい。私はアニメ化するという情報を先に知って、その後しばらくしてからi☆Risがエンディングを担当することを知りました。アニメの楽曲もゲームの楽団さんが作るので、i☆Risの楽曲もそれに負けないくらい素敵なものができたらいいなって。でも、初めて聴いたときにとても素敵な楽曲で安心しました。

    ――もともと作品にかかわられていたので、入りやすかった?

    久保田 そうですね。それと歌詞が忠実に『グリムノーツ』を追っているので、これは原作を知ってもらう手助けになると感じました。私はメインキャラクター4人のなかのひとり・シェイン役を演じているんですけど、その心情に近かったです。キャラクターソングではないんですけど、キャラクターの感情を表現しつつ歌わせてもらいました。