神戸市交通局は8日、市営地下鉄西神・山手線の新型車両6000形を報道関係者らに公開した。同車両は2月9・10日の市民向け試乗会を経て、2月16日から営業運転を開始する予定。今後5年間で西神・山手線の全編成を6000形に置き換える計画としている。

  • 神戸市交通局の新型車両6000形

    神戸市交通局の新型車両6000形が公開された

今回公開された6000形の第1編成は、1号車から「6129」「6229」「6329」「6429」「6529」「6629」の6両編成。西神・山手線では既存の形式である1000形・2000形・3000形が計28編成投入され、車両番号の下2桁は形式を通じて連番となっているという。そのため、29編成目となる6000形の第1編成では、車両番号の下2桁が「29」となった。3・4号車は弱冷車、4号車は女性専用車両で、それぞれステッカーが掲出されている。

神戸市を拠点とする川崎重工が6000形の製造を手がけ、「KEN OKUYAMA DESIGN」がデザインを監修した。外観デザインは2016年に行われた「新型車両デザイン総選挙」で最多得票を獲得した「街に馴染む丸みを帯びたフレンドリーなデザイン」「車両全体を巻き込むような安心感を与えるカラーリング」を採用。グリーンの車体色や車両番号のレタリングなど、神戸市電の時代から続くデザインが新型車両にも継承されている。

  • 新型車両6000形は2月16日から営業運転開始。当面はデビュー記念のヘッドマークを掲げて運行される

車内の座席はオールロングシートで、座席幅を拡張し、窪み付きのシートを採用するなど快適性の向上を図った。一般座席・優先座席ともにグリーン系の配色で、座席表皮に千鳥柄を採用している。木目調の大型袖仕切りに加え、ドア間の座席(9人掛け)に中仕切りとスタンションポールを設置。車内案内表示器は1両あたり3カ所のドア上に2画面ずつ設置し、4カ国語表示による乗換案内や停車駅情報の提供を行う。車いす・ベビーカー利用者などに配慮した優先スペースも各車両に設置された。

各種照明はLED化され、客室内は間接照明としている。なお、6000形では西神・山手線の既存車両で見られたアルミ鎧戸がなく、カーテンを設置している。編成合計定員は808名(編成座席定員272名)。最高速度100km/h、最大加速度3.3km/h/s、減速度(常用)3.5km/h/s・(非常)4.5km/h/sとされた。

  • 車内はオールロングシート。優先席や優先スペースも設置されている。大型袖仕切りに加え、ドア間の座席に中仕切りも

  • 4号車は女性専用車両

  • 車内の吊り革は三角形

  • 新型車両6000形の運転室

新型車両6000形は今後、2022年度までに既存車両と同数の28編成を順次投入し、西神・山手線の全車両を更新していく。

営業運転開始に先立ち、2月9・10日に市民向け試乗会が開催され、両日とも午前・午後の2回、西神中央駅から新神戸駅まで試乗できる。参加者募集はすでに終了しており、4回合計で1,000名が参加するという。運行初日の2月16日は西神中央駅10時7分発、谷上行の列車から営業運転を開始。当面はデビュー記念のオリジナルヘッドマークを掲げて運行される。

  • 新型車両6000形の車内・外観