歌手で俳優の福山雅治が、4月スタートのTBS日曜劇場『集団左遷!!』(仮)(毎週日曜21:00~)で主人公の銀行員を演じることがこのほど、わかった。福山が日曜劇場で主演を務めるのは本作が初めて、さらに、銀行員役を演じるのも初めて。

  • 福山雅治

    主人公・片岡洋役の福山雅治 (C)TBS

江波戸哲夫氏の『新装版 銀行支店長』『集団左遷』を原作とするこのドラマは、スーパーマンではなく“普通”のサラリーマンである銀行員の片岡洋(かたおか・ひろし)が、廃店候補の蒲田支店の仲間と巨大組織の理不尽に立ち向かう物語。平成最後の日曜劇場がおくる“最大の下剋上” ストーリーとなる。

福山演じる主人公の銀行員・片岡は、理不尽なことだと分かっていても飲み込んで我慢し、「会社で生き残るためだ」と考えている“the サラリーマン”。だが、部下や仲間の頑張りにほだされてしまう情に厚い男でもある。片岡は50歳を目前にして支店長への昇任人事を受けるが、赴任先は廃店が決定している蒲田支店。上層部からは「廃店が決まっているので頑張らなくて大丈夫です。無事廃店の際には本部に戻し優遇いたします」という特例を受け、人生で初めて「頑張るな」と言われて困惑する。廃店になることなど知らない支店員たちを前に「頑張らなくてもいいよ」とも言えず、自分の立ち位置に葛藤し、部下たちの頑張りを目の当たりにして「このままでいいのか」と思い悩んでいく。

片岡の異動先である蒲田支店の副支店長・真山徹(まやま・とおる)役には香川照之が決定。真山はどこか掴みどころのないような男で、常に笑顔で全てを見透かしているような真山の扱いに片岡は苦労する。福山と香川はNHK大河ドラマ『龍馬伝』(2010年放送)以来9年ぶりの共演。2人の台詞のやりとりや劇中での関係性にも注目だ。

脚本は『ROOKIES』(2008年)、映画『ROOKIES-卒業-』(2009年)、『南極大陸』(2011年)などを手掛けたいずみ吉紘が担当する。

  • 香川照之
  • 真山徹役の香川照之 (c)正田真弘

■福山雅治 コメント
『集団左遷!!』(仮)の片岡は諦めきれない男。そして“上手くやれない男”だと解釈しています。会社のため、仲間のため、取り引き先のため、家族のため、そして自分のプライドのために頑張るのですが、その頑張りが必ずしも最適解ではない。でも、台本を読ませていただき、片岡の“上手くない頑張り方”に不思議な愛おしさを感じました。誰の人生においても正解はわからないし、ひとつではない。それでも、やるしかない。上手くはない、でも諦めない。時に強気に時に弱気に、いい歳して揺れる男、片岡の強さと脆さを表現出来ればと。21年ぶりの緑山スタジオ、9年ぶりの香川さん、とても楽しみです。

■香川照之コメント
日曜劇場の“重厚なドラマ性”の中に、福山雅治さんがどう化学融合して、ドラマの見どころでもある“コミカルさとユーモア”を醸し出していくのか、そして、半沢直樹以来の銀行ものへの取り組み、さらに私自身も、約9年ぶりの福山さんとのがっぷり四つの果たし合いに、今から実に楽しみが尽きない連ドラ…テンションはマックスにすでに上がっているのである。

■飯田和孝プロデューサーコメント
「あー、おもしろかった」見終わった方に、ただそう言ってもらえるドラマを目指したい、今はそれだけを思っています。このドラマの主人公と出演者たちは、色々な壁にぶち当たります。しかし、たとえどんなにかっこ悪くても、這いつくばっても、かじりついても、頑張って乗り越えようとします。常に仲間を信頼し、共に立ち向かっていきます。たとえ具体的な打開策がなかったとしても、「頑張ればなんとかなる」と突き進んでいきます。今の時代に合わないかもしれませんが「頑張る、頑張る、頑張る、モーレツサラリーマン大いに頑張る」そんな主人公をはじめとする登場人物のエネルギーを、視聴者のみなさんに届けたいと思っています。何卒よろしくお願いいたします。

  • 『新装版 銀行支店長』
  • 『集団左遷』
  • (c)江波戸哲夫 講談社