テレビ朝日系全国ネットで好評放送中の『仮面ライダージオウ』(2018年)は、『仮面ライダークウガ』(2000年)から始まる「平成仮面ライダーシリーズ」の20作を記念し、主人公の常磐ソウゴが歴代平成仮面ライダーの「歴史」をたどり、彼らの力を受け継いでいく過程が描かれている。

奥野壮(おくの・そう)。2000年生まれ。大阪府出身。2017年にジュノン・スーパーボーイ・コンテストでフォトジェニック賞と明色美顔ボーイ賞をダブル受賞し、芸能界入り。2018年7月にはオスカープロモーションの男劇団 青山表参道Xのメンバーとなる。『仮面ライダージオウ』は初の連続ドラマ出演であり、初主演作でもある。撮影:大塚素久(SYASYA)

2018年12月22日からは、映画『平成仮面ライダー20作記念 仮面ライダー平成ジェネレーションズFOREVER』(監督:山口恭平)が公開され、『仮面ライダージオウ』と『仮面ライダービルド』(2017年)の共演や、歴代平成仮面ライダーが大集結を果たすクライマックス、そしてこれまで「平成仮面ライダー」を愛してくれたファンの思いに真正面から応えた熱いストーリーなど、さまざまな魅力を備えて現在大ヒット上映中である。

ここでは『仮面ライダージオウ』の主役を務める常磐ソウゴ役・奥野壮にインタビューを敢行し、テレビシリーズ撮影時の裏話や、ソウゴを演じるにあたっての苦労話、そして平成仮面ライダー20作記念映画にかける思いを語ってもらった。

――撮影現場の雰囲気、キャストさんたちのチームワークはどんな感じでしょうか?

和気あいあいという感じでやっています。撮影しているときはいい意味で緊張感があり、休憩になると和やかな雰囲気です。オンとオフの切り替えができているという感じでしょうか。

――毎回のエピソードでは、舞台が現代だったり過去だったりと、少々時間設定が複雑に思えますけれど、台本を読んでいて混乱したりすることはありますか。

「時間」がテーマのドラマなので、映像として観るまではなかなか分かりにくい部分はあります。けれども、ふつうに台本を読めばだいたい理解できる内容だと思っているので、混乱はないんですよ。

――撮影所周辺を歩いていると、そろそろ「ソウゴだ!」と子どもたちから見つかったりすることも出てくるんじゃないでしょうか。

それが、ないんです。今まで一度もありません。撮影所の近くにいても、まったく気づかれたことがないんです。

――そろそろ気づいてもらいたい、なんて思ったりしませんか。

やっぱり、僕という人間を多くの人に知ってもらうことが大事だと思うので、そろそろ気づいてほしいところなんですけれどね。でも普段は衣装ではないですし、ソウゴとはかけ離れたイメージの格好をしていますから、まるで別物ですね。

――常磐ソウゴという人間と、奥野さん本人には共通する面はありますか?

うーん、あるにはあると思うのですが、ソウゴはソウゴ、奥野壮は奥野壮で、別物という感じですね。僕は普段、ソウゴとはまったく違う性格をしていると思います。ぜんぜん「ソウゴ感」がないんですよ。

――では、ソウゴを演じるにあたって、特に気をつけているところとは?

まず「王様感」ですかね。「王様」になりたいと普段から言っている人ですから。でも基本的には普通の高校生なので、意識して「普通」を演じようとしています。基本的にソウゴは、あまり自分の感情を出さないで、それでいて明るい人間。そんな部分に意識を置いて演じています。

――今後、ソウゴが激しい感情をあらわにする場面も見られるのかもしれませんね。

そうですね。これからどうなるかは楽しみにしているところです。

――ソウゴという役をつかんだなと実感したのは、どんなときでしたか。

役をつかんだきっかけとかはないんです。もともと、何もないところからソウゴという人物をコツコツと積み重ねるというか、撮影していくにあたって「ソウゴってこういう人間なんじゃないか」とだんだん分かり始めているかな……とは思っていますけれど。

――東映特撮ファンクラブ(TTFC)内で配信されている「ジオウ補完計画」では、テレビ本編のソウゴとちょっと違うコミカルな面も出されていますけれど、あちらのほうが素の奥野さんに近い、なんてことはありますか?

あれはまた、ソウゴじゃない雰囲気ではありますね。役柄として観てもらうというよりは、みなさんが笑ってもらえるような状態に振っている感じです。『補完計画』は決まりがないので、僕たちも自由に動いているんですよ。本当ならNGになるようなところをそのままOKにしたり……(笑)。でも、あれが僕たちの素かというと、やっぱりそうでもないんですよね。いつもと違って「おちゃらけているソウゴ」だと思ってもらえれば。みなさんに楽しんでもらえたらうれしいですね。