相模鉄道の新型車両12000系がこのほど出場し、神奈川県内で姿を見せた。総合車両製作所が製造を手がけた同車両は2019年春から営業運転開始予定。2019年度末までに計6編成を導入する予定となっている。

  • 相模鉄道の新型車両12000系が登場

新型車両12000系は多くの鉄道ファンらが待ち構える中、ディーゼル機関車DE10形に牽引されて姿を現した。第1編成は1号車から「12101」「12201」「12301」「12401」「12501」「12601」「12701」「12801」「12901」「12001」(10両編成)。4号車が女性専用車となっている。10号車の運転台付近に「そうにゃん」も“乗車”していた。

同車両は2019年度下期に予定される相鉄新横浜線西谷~羽沢横浜国大間の開業後、JR線との直通用車両として使用される。「安全×安心×エレガント」を開発コンセプトに、相鉄グループの「デザインブランドアッププロジェクト」の概念にもとづき製造。総合車両製作所のステンレス製車両「sustina S24 シリーズ」の車体に、横浜を象徴した濃紺色「YOKOHAMA NAVYBLUE」の塗装を施した。代表的な能面のひとつ「獅子口」をイメージした力強いデザインの先頭形状も特徴となる。

  • DE10形に牽引された12000系。10号車の運転台付近に「そうにゃん」の姿も

内装は今年デビューした相鉄新横浜線・東急新横浜線直通用の新型車両20000系の仕様を踏襲し、落ち着きのあるグレー系の配色で統一したほか、時間帯で色調が変化する調色調光式のLED照明、一部の優先席・一般席に地元利用者の意見を取り入れて改良した「ユニバーサルデザインシート」も導入されるという。個別ドアスイッチや2016年度グッドデザイン賞受賞の吊り革、相鉄線の特徴とされる車内の鏡も設置する。

相模鉄道の車両11000系と同型のIGBTタイプのVVVFインバータ制御装置や、室内灯・各種灯火類のLED化によって消費電力を低減し、防音車輪で騒音も低減。JR線との相互直通運転への対応として、車両情報処理装置(TIMS)を共通化し、車両システムに会社間切替機能などを本格搭載している。

  • 相模鉄道の新型車両12000系は総合車両製作所が製造。ステンレス製の車体に「YOKOHAMA NAVYBLUE」の塗装を施した