相模鉄道は17日、都心直通用の新型車両20000系の発表会を実施した。かしわ台車両センターでお披露目した後、報道関係者らを乗せて厚木操車場へ走行した。新型車両20000系は2月11日の営業運転開始を予定している。

  • 相模鉄道が新型車両20000系を報道関係者らに公開した

2022年度下期の開業を予定している相鉄・東急直通線の車両として導入される20000系は、相鉄グループが進める「デザインブランドアッププロジェクト」のコンセプトを反映した初の新型車両。第1編成は日立製作所 笠戸事業所(山口県)で製造された後、昨年8月にかしわ台車両センターへ輸送されていた。車両の整備や各種試験・調整などを経て、2月11日の営業運転開始を前に報道関係者らに公開されることになった。

1月17日の発表会では、かしわ台車両センターで20000系がお披露目され、車内撮影などが行われた後、10時50分頃に車両センターを出発してかしわ台駅へ。11時35分頃に同駅2番線ホームから発車し、通常は旅客列車が運行されない厚木線(貨物線)を走行。11時40分頃、厚木操車場に到着した。なお、この日は20000系発表会の後、相鉄・JR直通線(2019年度下期開業予定)の新駅、羽沢横浜国大駅の現場見学会も行われた。

  • 新型車両20000系の車内。優先席の一部に「ユニバーサルデザインシート」が導入され、座席の下部に大型の荷物を収納できる

  • 車内照明には時間帯で変化する調色調光式のLED照明を採用。車内の鏡も復活

  • 相模鉄道キャラクター「そうにゃん」と職員らに見送られ、車両センターを出発してかしわ台駅へ。車外の表示器にも「そうにゃん」登場

  • かしわ台駅を発車した後、貨物線の厚木線に入り、厚木操車場へ

新型車両20000系は「安全×安心×エレガント ~目先のトレンドに左右されない『醸成するデザイン』~」をコンセプトに開発された。新たな相鉄線のイメージカラーとなる濃紺色「YOKOHAMA NAVYBLUE(ヨコハマ・ネイビーブルー)」を外観カラーに採用し、通勤型車両のイメージを打ち破る立体的でインパクトのある先頭形状となっている。

車内は落ち着きのあるグレーを基調とした内装で、時間帯で変化する調色調光式のLED照明を採用。高い天井やガラス製の荷棚・仕切り・貫通扉により、明るく開放感のある室内空間となった。車いす・ベビーカー用のフリースペースは全車両に設置。優先席の一部に立ち座りを容易にする「ユニバーサルデザインシート」を導入したほか、「ナノイー」搭載の空気清浄機や個別ドアスイッチなど多様なニーズに対応した仕様となった。相鉄線の特徴とされた車内の鏡や、日差しを遮るブラインドも復活させた。ドア上や通路の天井に大画面案内表示器(21.5インチ)も設置。全車両でWi-Fiの提供も行う。

新型車両20000系は今年度、7000系の代替として1編成(10両編成)導入される。今回の発表会では今後の車両新造についても紹介され、「次期新造車はJR乗り入れ車両(鋭意検討中)」「20000系第2編成以後はJR直通後に製作」「その間、必要に応じ試験や訓練などを実施」とのことだった。

  • 相模鉄道の新型車両20000系の車内・外観など