JR西日本はこのほど、新幹線の重大インシデントを踏まえ、取り組んできたN700系の台車の取替えが12月5日で完了したと発表した。

  • JR西日本が新幹線重大インシデントの発生後、取り組んできた板厚の不足している台車の取替え状況について発表

台車の取替えは、2017年12月11日に東海道・山陽新幹線「のぞみ34号」が名古屋駅で運転取りやめとなり、当該車両の台車枠にき裂などが発見された重大インシデントへの対策として実施してきた。

重大インシデント発生後に行われた調査では、台車枠の側バリ底面の板厚が設計上の寸法より薄かったことが判明。台車を製造した川崎重工が、本来行ってはならない側バリ底面の研削を行っていたためであることもわかった。調査を踏まえ、JR西日本は板厚の不足がき裂につながったと判断し、川崎重工が製造した台車のうち、板厚が薄いものについて取替えを順次進めてきた。

今回の発表によれば、取替えを実施した台車は全部で112台。このうち、板厚が最小値の7mmに達していなかったものは101台。残りの11台について、板厚は最小値を上回っていたものの、「疑いのあるエコー反応」を示したため、取り替えたという。一方、取替えを実施しなかった台車は191台で、これらについては板厚が最小値を上回っており、かつ超音波探傷で傷がないことを確認できたという。

なお、川崎重工以外のメーカーが製造した台車約600台についても超音波探傷を実施したところ、エコー反応を示したものが現時点で6台あったため、すでに取替えを実施したとのこと。超音波探傷を実施していない台車もまだ8台残っているが、2019年2月末までには実施を完了する予定だという。