大阪市都市交通局と大阪市高速電気軌道(Osaka Metro)は7日、今里筋線延伸部(今里~湯里六丁目)における需要の喚起・創出および鉄道代替の可能性を検証するため、「いまざとライナー」(BRT)の運行による社会実験を2019年4月1日から開始すると発表した。

  • 「いまざとライナー」では地下鉄や大阪シティバスとの割引制度も

BRT(Bus Rapid Transit)は速達性・定時性の確保や輸送能力の増大が可能となる高次の機能を備えたバスシステムであり、今回の社会実験開始に向けたBRTの愛称として「いまざとライナー」と名づけられた。運行ルートは地下鉄今里筋線延伸区間(今里~湯里六丁目)を基本に、利用者の利便性向上と需要の喚起・創出につながる「長居ルート」「あべの橋ルート」を設定した。

「長居ルート」は地下鉄今里~杭全~湯里六丁目~地下鉄長居間、「あべの橋ルート」は地下鉄今里~杭全~あべの橋間を運行。地下鉄今里~地下鉄長居間の所要時間は約37分、地下鉄今里~あべの橋間の所要時間は約25分とされる。中間停留所は今里筋線延伸区間(今里~湯里六丁目)にのみ設定し、その間隔は地下鉄並みの約1km間隔とした。

運行時間帯は6~23時台で、始発・終発時刻は相応の利用者が見込まれる時刻を設定する。平日7~18時台の運行間隔は今里筋線の運行間隔を考慮し、「長居ルート」「あべの橋ルート」ともに20分間隔とし、平日のその他時間帯および土日休日は「長居ルート」「あべの橋ルート」ともに30分間隔で運行する。地下鉄今里~杭全間は「長居ルート」「あべの橋ルート」が重なるため、平日7~18時台はおおむね10分間隔、平日のその他時間帯および土日休日はおおむね15分間隔となる。

  • 「いまざとライナー」の運行ルート及び停留所位置

運賃は全区間均一で大人210円・小児110円。料金支払いは現金のほか、ICカード(「PiTaPa」「ICOCA」など全国相互利用可能なすべてのICカード)、大阪市が発行する敬老優待乗車証や障がい者等の交通機関乗車料金福祉措置による乗車証、地下鉄または大阪シティバスが発行する回数カード、バス回数券、1日乗車券、バス定期券、地下鉄・BRT連絡定期券、地下鉄・バス連絡定期券、共通全線定期券、各種企画乗車券が利用可能となる。

おもな割引制度として、ICカードで地下鉄と連続して利用する場合は160円割引、ICカードで大阪シティバスと乗り継ぐ場合は210円割引が適用される。「PiTaPa」利用額割引は1回目の乗車から自動的に1割引となり、マイスタイル「地下鉄バスプラン」または「バスプラン」のバスとして適用される。

社会実験の実施期間は、実験の目的である需要の喚起・創出の効果などを検証するため、毎年度利用状況等を確認しつつ需要の定着などを考慮し、実験開始から3年程度経過時に効果検証を行い、必要な需要の喚起・創出策を講じるとしている。実験開始から5年程度経過時に再度効果検証を行った上で、大阪市としての今後の対応方針を決定する。