世界的に酒類の消費量が減少していると言われている昨今、日本ではハイボール需要が堅調な足取りで伸び続けており、ウイスキーの消費量はいまだ右肩上がりだ。そんな中、「KAVALAN(カバラン)」というウイスキーがマニアの間で注目を集めている。

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台湾はウイスキー新興国!?

ウイスキーの本場といえば、まず思いつくのがスコットランドだろう。そのほか、アメリカやカナダ、アイルランド、そして日本も世界的なウイスキーの生産地として知られており、「世界5大ウイスキー」という呼称も存在しているほどだ。

しかし、カバランの生産地はなんと「台湾」。ウイスキーは冷涼な気候でゆっくりと熟成させるものというイメージがあるが、果たして台湾でそれは可能なのだろうか? そして気になるお味のほどは?

今回は、1,000種類以上ものウイスキーを取り扱うバー&ラウンジ「TOKYO Whisky Library」(東京・表参道)にて、そのカバランを実際に味わってきた。

  • “ウイスキー図書館”の名にふさわしく、見渡す限りウイスキーのボトルで囲まれた「TOKYO Whisky Library」店内

カバランは、台湾の北東部、宜蘭(イーラン)県という場所で2006年に蒸留が開始された。亜熱帯の高温多湿な気候を活かし、通常3~8年の熟成が必要とされるウイスキーを1年半ほどの熟成期間で完成させるという点が大きな特徴。近隣の雪山から流れてくる良質な天然水が、亜熱帯の気候によりトロピカルフルーツのような香りをまとったウイスキーに生まれ変わるという。

2008年に第1作となる「カバラン クラシックシングルモルトウイスキー」を発売し、わずか2年後には本場スコットランドで開催されたテイスティング大会で地元銘柄を抑えて圧勝。世界にその名をとどろかせた。その後も世界的に権威のあるウイスキーアワードを次々に受賞し、ラインナップも拡大し続けている。

日本で手に入るカバランの価格帯は、1本9,000円~6万8,000円(参考小売価格)で、高級ウイスキーに分類される。しかし、今年9月、カジュアルに楽しめる価格で新作が登場した。その名も「カバラン ディスティラリーセレクト」。1本4,500円(内容量700ml)という金額を実現しながら、カバラン特有の香りと味わいをしっかりと堪能できる品質に仕上がっているとのこと。

  • 「カバラン ディスティラリーセレクト」は黒っぽいビンが目印

「TOKYO Whisky Library」にてマネージャーを務める長谷川憲三さんは「カバランの入り口としてディスティラリーセレクトは持ってこいだと思います。ハイボールのベースとしてもバランスがいいですし、ウイスキーにそこまで馴染みがない方にもオススメです」と紹介しつつ、チューリップグラスに注いだ1杯を差し出してくれた。

実際に飲んでみると、第一印象はマンゴーのようなフルーティーさがやってきて、その後バニラのような甘い香りが鼻から抜けていき、高級感のある口当たりに思わずうっとり。ハイボールでさっぱりと飲むもよし、ストレートで独特なクリーミーさを楽しむもよし。他のカバランも全種類試したくなってしまう。

一般的な知名度はまだまだこれから上がっていくことが予想されるカバラン。初心者にもオススメできる飲みやすさながら、通っぽさも演出できそうなブランドだと言える。手頃な価格帯が登場したこの機会に、台湾ウイスキーの世界に触れてみよう。

  • カバラン以外のウイスキーと飲み比べてみるのも新たな発見があって楽しいだろう

●information
「TOKYO Whisky Library」
住所:東京都港区南青山5-5-24 南青山サンタキアラ教会2F
営業時間:
月~金
18:30 - 翌3:00 (L.O 2:00)

15:00 - 翌3:00 (L.O 2:00)
日・祝日最終日
15:00 - 24:00 (L.O 23:00)