第10回TAMA映画賞授賞式が、17日に東京・パルテノン多摩 大ホールで行われ、受賞者が登壇した。

  • 前列左から吉村界人、伊藤沙莉、吉沢亮、松岡茉優、松坂桃李、山崎努、沖田修一監督、深川麻衣、松崎薫プロデューサー。2列目左から野坂きよか、水野信利、竹内昇、三宅唱監督、福嶋更一郎プロデューサー、市橋浩治プロデューサー、真魚、今泉力哉監督、阿部裕行市長、浪久圭司理事。3列目、『カメラを止めるな!』チーム。

同映画賞は、多摩市及び、近郊の市民からなる実行委員が「明日への元気を与えてくれる・夢をみせてくれる活力溢れる<いきのいい>作品・監督・俳優を、映画ファンの立場から感謝をこめて表彰」するもの。

最優秀新進女優賞に輝いた深川麻衣は、「まずは今日のこの日を今後の励みにさせていただきながら、『もっともっと頑張れ』というエールをいただいたと思うので、来年も今まで以上に成長できるように頑張っていきます」と宣言した。

同じく最優秀新進女優賞に輝いた伊藤沙莉は、壇上に立った瞬間から涙ぐみ「すいません、早いですよね」とセルフツッコミで会場を笑わせる。『パンとバスの2度目のハツコイ』『寝ても覚めても』と、受賞作品に次々登場し、最優秀女優賞の松岡茉優からも「親友の伊藤沙莉」と紹介された伊藤だが、「9歳からお仕事させていただいてるんですけど、今日に至るまで15年間、決して楽しいだけじゃなく、苦しいこと悔しいこともたくさんありましたけれど、こうやって誰かに求めてもらえたりするのは本当に幸せなことだと思っております」「新しいスタートラインだと思って、大好きな芝居を楽しみつつ、これからも精進したい」と涙ながらに語った。

また、大きな話題を呼んだ『カメラを止めるな!』は、特別賞に輝いた。市橋浩治プロデューサーは「ご覧いただいた感染者のみなさんのおかげで受賞できたかなと思っております」と感謝。「この映画を作ったENBUゼミナールは、(『パンとバスと2度目のハツコイの)今泉力哉監督もうちのスタッフとして働いていたということで、感慨深いものがあります」と明かし、会場を驚かせた。

最優秀作品賞を受賞した『寝ても覚めても』は、カンヌ映画祭のコンペティション部門に出品され、現地の反応も良かったが、パルムドールは『万引き家族』に。エグゼクティブプロデューサーの福嶋更一郎は「『万引き家族』がいただいたのはすごいことだなと思います」と称賛する。『寝ても覚めても』については、「シナリオの段階でフランスのプロデューサーから『これは絶対いい作品ができる』と言っていただいて、日仏合作になりました」と明かし、監督の独特な演出法についても「間近で見まして、本当にすごいなと思いましたし、編集も緻密ですし、非常に完成度の高い作品を世に出せたなと思います」と自信を見せた。

また同じく最優秀作品賞を受賞した『万引き家族』について、松崎薫プロデューサーは「いろんなことがありまして、想定していたより本当に多くの方にご覧いただいています」と感謝。『寝ても覚めても』と同様に「海外に広まっており、今週末はロシア、来週からアメリカと言うように各国で大勢の方に見ていただくことができて、まだ上映していますので、また広まっていっていただけたら」と語った。

■最優秀作品賞
『万引き家族』 (是枝裕和監督、及びスタッフ・キャスト一同)
『寝ても覚めても』(濱口竜介監督、及びスタッフ・キャスト一同)

■特別賞
沖田修一監督、及び山﨑努・樹木希林はじめスタッフ・キャスト一同 (『モリのいる場所』)
上田慎一郎監督、及びスタッフ・キャスト一同 (『カメラを止めるな!』)

■最優秀男優賞
東出昌大 (『寝ても覚めても』『菊とギロチン』『パンク侍、斬られて候』『OVER DRIVE』『予兆 散歩する侵略者 劇場版』)
松坂桃李 (『孤狼の血』『娼年』『不能犯』『彼女がその名を知らない鳥たち』)

■最優秀女優賞
安藤サクラ (『万引き家族』『DESTINY 鎌倉ものがたり』)
松岡茉優 (『勝手にふるえてろ』『万引き家族』『ちはやふる -結び-』『blank13』)

■最優秀新進監督賞
今泉力哉監督 (『パンとバスと2度目のハツコイ』)
三宅唱監督 (『きみの鳥はうたえる』)

■最優秀新進男優賞
吉村界人 (『モリのいる場所』『悪魔』『サラバ静寂』『ビジランテ』)
吉沢亮 (『リバーズ・エッジ』『猫は抱くもの』『銀魂2 掟は破るためにこそある』『ママレード・ボーイ』『悪と仮面のルール』『レオン』『斉木楠雄のΨ難』)

■最優秀新進女優賞
深川麻衣 (『パンとバスと2度目のハツコイ』)
伊藤沙莉 (『榎田貿易堂』『パンとバスの2度目のハツコイ』『寝ても覚めても』『blank13』)