JR九州は15日、筑肥線の唐津変電所に「電力貯蔵装置」を導入すると発表した。電車の減速時に生み出される回生電力を変電所に設置した蓄電池に一時的に貯蔵し、電車を走行させるための電力に再利用することで、運転時の電力使用量を削減できる。大規模停電の際、駅間に停車した列車を最寄り駅まで移動させるための活用も想定している。

  • 唐津変電所電力貯蔵装置

  • 回生電力の有効利用のイメージ図

「電力貯蔵装置」の導入は、九州・沖縄地区において沖縄モノレールに次いでの事例となる。これまで、回生電力は付近に加速する列車がいる場合は加速のための電力として活用される一方、付近に加速する列車がいない場合は捨てられていた。「電力貯蔵装置」の導入により、年間365MWhの削減効果を見込んでおり、これは筑肥線の電車運転用電力全体の約2%、一般家庭の約90世帯分にあたるとのこと。

同装置はリチウムイオン電池によって電力を貯蔵し、設備容量は1,000kW、貯蔵容量は290kWh、定格電流は667A、定格電圧はDC1,500V。製造会社は東芝インフラシステムズ。11月20日から運用開始を予定している。