相模鉄道は3日、相鉄・JR直通線用新型車両12000系の導入を発表した。開発コンセプトは「安全×安心×エレガント ~目先のトレンドに左右されない『醸成するデザイン』~」とのこと。総合車両製作所も同日、新型車両12000系の製造を担当すると発表した。
相鉄・JR直通線は2019年度下期開業予定。羽沢横浜国大~西谷間に連絡線を新設し、相鉄線・JR線が相互直通運転を行う。2022年度下期には相鉄・東急直通線(日吉~羽沢横浜国大間)も開業予定。相鉄線では今年2月に相鉄・東急直通線用新型車両20000系がデビューしており、これに続き相鉄・JR直通線用新型車両12000系が導入されることになった。製造を担当する総合車両製作所によれば、新型車両12000系は同社製ステンレス車両「sustina(サスティナ) S24シリーズ」とのこと。
外観は新型車両20000系と同様、相鉄グループが進める「デザインブランドアッププロジェクト」の概念にもとづき、横浜を象徴する濃紺色「YOKOHAMA NAVYBLUE(ヨコハマ・ネイビーブルー)」の塗装を施した。新型車両12000系の先頭形状は代表的な能面のひとつ「獅子口」をイメージした力強いデザインとしている。
内装も新型車両20000系の仕様を踏襲し、落ち着きのあるグレーで統一したほか、ガラスを多用した開放感のある空間に。時間帯で色調が変化する調色調光式のLED照明も採用した。「ユニバーサルデザインシート」(立ち座りを容易にするため、座席の高さを上げ、座り心地を損ねない範囲で座面を小さくしたシート。座席下部に大型の荷物も収納可能)を先頭車以外の優先席・一般席に導入し、全車両に車いす・ベビーカー用のフリースペースも設置する。
ロングシート座席はランダムパターンを施した汚れの目立たない生地を採用。大型化した座席端部の仕切り板、2016年度グッドデザイン賞を受賞した吊り革、ドア上の液晶式案内表示器(17インチ)、空調効果を高める個別ドアスイッチに加え、相鉄線の象徴ともいわれる「車内の鏡」も設置する。「ナノイー」搭載の空気清浄機も導入。安全・安心のさらなる向上を目的に、相鉄線では初採用という前方監視カメラ・車内防犯カメラが設置され、ホームドア設置駅で自動停車可能なTASC(定位置停止装置)にも対応する。
相鉄・JR直通線用新型車両12000系は2019年春から1編成が営業運転を開始する予定。2019年度末までに全6編成(計60両)を導入予定としている。