生命保険にはこれまでも「タバコを吸わない」「血圧が一定範囲内」などの条件をクリアすると保険料が安くなる商品がありました。最近ではそれがさらに進化して、契約後に健康管理の努力をしたり、健康状態が改善したら保険料が還付されたり割安になる商品が登場しています。

病気や働けなくなったときのお金は心配だけど、できるだけ安い費用で備えたい……。そんな人のために、新しいタイプの生命保険を紹介します。

まずは支払い保険料が安くなる一般的な方法をおさらい

保険の種類を問わず、支払う保険料を安くするには、半年、1年など保険料をまとめて支払うというのが最も一般的な方法です。多くの人が使っている方法ではないでしょうか。

ほかにも、生命保険には加入時の健康状態に応じて保険料を割り引いてくれる「健康体割引」という仕組みがあります。商品によって対象になる項目は異なりますが、対象になることが多いのは喫煙の有無、BMI、血圧値といった項目が多いよう。

割引設定がある保険も当初は定期保険が中心でしたが、医療保険や収入保障保険、がん保険、終身保険などにも登場していますから、健康状態に自信がある人は加入時の商品選びポイントにしてみるといいでしょう。

実年齢よりも健康年齢が保険料を左右する!

最近では、支払い保険料を安くする商品がさらに進化して新しいタイプが登場。健康状態が改善すると還付金を受け取れたり、保険料が安くなったりするものです。主なものをまとめたのが下表です。

たとえば東京海上日動あんしん生命保険の医療保険「あるく保険」は、2年間を6カ月ごとの4計測単位期間に分け期間ごとに1日あたりの平均歩数が8000歩以上になると、健康増進還付金を受け取れます。

ちなみに、8000歩を歩くのにかかる時間は80分、距離は6キロ程度。厚生労働省の「平成28年国民健康・栄養調査」によると、20歳から64歳までの1日の平均歩数は、男性7769歩、女性6770歩ですから、8000歩は、少し意識して歩けば、達成できる歩数といえそうです。

ほかにもネオファースト生命保険の医療保険「からだプラス」は、加入するときは実年齢ですが3年ごとの更新時には提出した健康診断書をもとに健康年齢によって保険料が確定します。「健康年齢少額短期保険」は、加入する時点での保険料判定が実年齢ではなく健康年齢という商品です。

住友生命保険は「Vitality」という健康プログラムを設定し、同じ商品でもこのプログラムに参加しポイント対象の各種活動をすると保険料が増減するというもの。健康的な生活を送ることへのインセンティブとして、保険料が安くなるということのようです。

健康上のリスクに備えるのが保険の目的ですが、できれば給付を受けることのない健康を維持できるのが一番。とはいえ、そうなると保険料がもったいない気がするもの。できるだけ保険料を抑えつつリスクに備えるには、注目してみる価値がありそうです。

  • 鈴木弥生

鈴木弥生

編集プロダクションを経て、フリーランスの編集&ライターとして独立。女性誌の情報ページや百貨店情報誌の企画・構成・取材を中心に活動。マネー誌の編集に関わったことをきっかけに、現在はお金に関する雑誌、書籍、MOOKの編集・ライター業務に携わる。ファイナンシャルプランナー(AFP)。