10月から元NHKアナウンサーの有働由美子というビッグネームをメインキャスターに起用する日本テレビ系ニュース番組『news zero』(毎週月~木曜23:00~、金曜23:30~)。視聴率トップを走りながら攻勢を強める王者に、ライバル局はどう臨むのか。各局の10月改編説明会で、編成部長がスタンスを語った。

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    (左から)『NEWS23』雨宮塔子、『news zero』有働由美子、『報道ステーション』徳永有美

『zero』と同じく大きなリニューアルを敢行するのは、テレビ朝日系『報道ステーション』(毎週月~金曜21:54~)。古舘伊知郎時代からサブキャスターを務めていた小川彩佳アナが卒業してAbemaTVに移り、現在そのAbemaTVに出演する同局元アナの徳永有美がキャスターとして月~木曜を担当する。

これまで、『zero』と『報ステ』がぶつかる時間帯(月~木)は23時からの10分間だったが、『報ステ』は10月から月~木の放送時間を後ろに5分拡大し、直接対決は15分に増える。5日に行われた説明会で、赤津一彦編成部長は「(『zero』を)特に意識していることはございませんで、私共は分かりやすさに一生懸命でニュースをお伝えしていきたいと思っています」と、前身番組『ニュースステーション』が立ち上げ時に掲げた“中学生にも分かるニュース”の原点に戻ることを重視していることを強調。

ゴールデン番組予備軍とも言える23時台バラエティ「ネオバラ」枠を5分繰り下げてまで拡大することについては、最近の『パンパシ水泳』『アジア大会』の高視聴率を例にあげながら、「東京オリンピック・パラリンピックに向けて視聴者の方の関心が高まっているのか、スポーツ番組の視聴率が高くなっている。そういった中で20年に向けてスポーツコーナーを強化していく」と狙いを説明した。

一方、TBS系『NEWS23』(毎週月~木曜23:10~、金曜23:30~)は今年4月に、22時台のバラエティ・ドラマ(月~木)を拡大したことで、スタート時間を10分繰り下げる改編を実施した。

この影響により、『NEWS23』は世帯視聴率が下がったものの、同局が重視しているファミリーコア(13~59歳)では前年から上昇しているといい、6日の説明会で、高梨史憲編成部長は「いろんな意味での体質改善はなされていると思います」と成果を報告。10月以降は「中身も含めて考えていく段階であると考えて、現場とは話をしています」とし、裏番組への備えを述べた。

テレビ東京系は、老舗ビジネスニュース番組『ワールドビジネスサテライト』(毎週月~金曜23:00~)を編成しているが、7日の説明会後に取材に応じた縄谷太郎編成部長は「4月から30周年期間に入り、ゲストだったりとか、企画だったりで番組を見てもらえる仕掛けやアプローチをしてますので、それを引き続きやるということです。『zero』が注目されますけど、ターゲットはそんなにかぶるような番組ではないと思いますので、あまりそちらに左右されないように、うちはうちのスタンスでまっすぐやっていけば良いのではないかと思ってます」との考えを示した。

『news zero』は、10月から「視聴者と会話するニュース」をコンセプトに、有働の持ち味を生かした“ホンネ感”をキーワードに展開。4日に行われた会見後に取材に応じた有働は「心弱いんですけど、いろいろ辞めたことだし、バッシングを恐れずに発言していこうと思います」と宣言。

「もうNHKを背負ってないので、ダメだったら切ってもらえばいい。(辞める前は)それが一番しんどそうだなと思ってたんですけど、逆に私がやりたいことをやって視聴率が下がれば、私が視聴者の方とズレてるという話なので、クビを切ってもらえるという安心感があるんです」と、相変わらずの“有働節”で覚悟を語っている。