乾燥や喉の酷使などで痛めた喉をなんとかしようと、のど飴などのお世話になった経験がある人も多いはず。喉が痛いと食事の際も何かと不便で、気分も沈みがちになること必至。そんなときは、喉にいい食べ物や飲み物を積極的に摂取するようにしたい。

今回は、日本耳鼻咽喉科学会認定専門医の宮崎裕子医師に「喉が痛いときに食べたい飲食物と避けたい飲食物」についてうかがった。

  • 喉にいい食べ物は野菜や果物に多い

    喉にいい食べ物は野菜や果物に多い

喉にいい食べ物

喉の痛みがちょっと気になる際は、どのような食べ物を摂取したらよいのだろうか。喉の炎症や咳に効果的に働く可能性がある食材を以下にまとめたので参考にしてほしい。

ねぎ

ねぎに含まれるアリシンという成分に殺菌効果があり、ネギオールには抗炎症作用がある。

しょうが

しょうがに含有されているジンゲロールやショウガオールという成分は殺菌作用を持ち、血行をよくする。

大根

大根のアリルイソチオシアネートという成分には抗炎症作用、殺菌作用があるとされている。

蓮根

蓮根は抗炎症作用を持つタンニンという成分を含んでおり、ビタミンCも多く含まれている。

梨に含まれているソルビトールという成分が喉の痛みを鎮めてくれる。また、カリウムやビタミン、水分も豊富という特徴も持つ。

きんかん

きんかんのへスぺリジンという成分は喉の炎症を抑えるほか、蓮根同様にビタミンCが多く含まれている。

かりん

かりんは殺菌・抗炎症作用に優れるとされており、ビタミンCやポリフェノールも多く含む。

ゆず

ゆずはビタミンCが豊富で、粘膜の保湿や保護効果も併せ持つ。

黒豆

黒豆のアントシアニンは喉の痛みによく、痰を取り除く作用があると言われている。

喉にいい飲み物

喉を潤わせ、保湿につながるという点で飲み物も効果的に摂取したい。

はちみつ

殺菌効果があるはちみつは、疲労回復や胃腸の調子を整える作用もある。そのまま食べてもよし、ドリンクに溶かして飲んでもよしの食材だ。

ハーブティー

カモミールやユーカリなどのハーブティーは、喉の痛みを鎮めてくれる効果がある。

緑茶

緑茶のカテキンは、殺菌作用に優れていると有名だ。

喉のイガイガや炎症が起きる原因

そもそも、喉はなぜ痛くなるのだろうか。喉が痛む主な原因として考えられるものを以下にまとめた。

  • 喉の酷使(長時間の会話など)
  • 細菌・ウイルスなどの感染
  • 辛いものなどの刺激物の摂取
  • タバコ
  • アルコール
  • 乾燥

いわゆる「喉のイガイガ」は、細菌やウイルスが増殖しているサイン。空気が乾燥していると細菌やウイルスが増殖しだし、喉の扁桃を攻撃するため喉に炎症が起きて痛みを感じやすくなってしまう。乾燥は喉の痛みにとって大敵だと覚えておこう。

特に気温の寒暖差が出る時期は喉に痛みが出やすいと宮崎医師は話す。

「季節が変わる時期は、気温や気圧の変化で自律神経のバランスが乱れがちです。このバランスが乱れると体の免疫力が低下したり、体調も崩れたりしやすくなります」

喉は体の外と内をつなぐ「出入り口」でもあるため、もともと外敵の侵入を防ぐ機能を備えている。日頃は粘膜の免疫機能で守られているが、自律神経のバランスが乱れるとこの免疫機能が弱まり、外部から細菌やウイルスに侵入されて攻撃されやすくなる。この侵入してきた細菌やウイルスと戦うため、防御反応として喉が「炎症」を起こすことで、のどの痛みが発症するのだという。

「ただし、炎症が起こる原因はウイルスや細菌の感染だけではありません。タバコの煙や花粉、ほこりなどにさらされ続けたり、過度のお酒や香辛料による刺激を受けたりすることでも炎症は起こります。長時間しゃべった後やカラオケで喉が痛むのも、炎症が起こっているからです」

喉の炎症に効果的な食べ物の条件

宮崎医師は、喉の痛みに効果がある飲食物には以下の3つの特徴があると指摘する。

(1)喉の殺菌や抗菌を促してくれる
(2)炎症を抑える効果がある
(3)保湿・保温効果がある

「喉に痛みが生じているときは喉の粘膜が傷ついているため、殺菌や抗菌作用によって細菌の侵入を防ぐことで、さらなる感染の予防になります。また、保湿・保温効果で喉が潤うと乾燥による痛みが生じにくくなり、さらに体全体を温めて血行促進をはかり、回復に向かわせるということです」

喉の粘膜が潤っていると外からのウイルスに抵抗できるが、喉が乾燥しているとウイルスが侵入してしまい、イガイガの原因となってしまう。それを防ぐために注目されているのがはちみつだという。

「はちみつは、殺菌を殺す成分が圧縮された食べ物と言われています。はちみつの主な成分はブドウ糖(グルコース)と果糖(フルクトース)です。ただ、ビタミン類やミネラル類などの細かな成分を含めると150以上の栄養物が含まれています」

はちみつを常温保存していても基本的に傷むことがない点からも、はちみつに強力な殺菌効果があることが直感的にわかるだろう。そのため、はちみつレモン水などのはちみつを含んだ飲み物が喉にいいと宮崎医師も推奨する。

はちみつレモン水の材料

水1リットル / 塩1.5~3g (小さじ1/4~1/2) / はちみつ(砂糖でも代用可)40g (大さじ6) / レモン果汁 (好みで: 大さじ1~1と1/2)

つくり方

1.鍋に水(分量外)と塩とはちみつを加えて弱火で溶かす。

2.冷めた1に水とレモン果汁を加えてよく混ぜ合わせたら完成。

「はちみつレモン水のほかに、ミネラルが多く含まれており、ビタミンCの作用をサポートして血管の働きを強化する効果が期待できるルイボスティーや、殺菌作用や栄養成分に優れる緑茶もお勧めです。スポーツドリンクで代用するのもいいですが、市販品は糖分が多く含まれがちです。薄めて飲んだり、経口補水液をご自身でつくったりするもいいですね」

飲料の温度が極端に冷たかったり熱かったりすると、喉の粘膜を刺激してしまいかねないため、常温かぬるめの温度で飲むといだろう。

喉の炎症に効果的な栄養成分

上記のような「喉にいい食べ物の条件」を満たす栄養成分の一例は以下の通り。

リモネン

リモネンはオレンジやグレープフルーツ、レモンなどの柑橘系の皮に含まれており、免疫力を高める効果があると考えられている。

ビタミンC

コラーゲンの生成や鉄の吸収を助ける働きをしている。

ヘスペリジン

柑橘類由来の機能性成分で、血流改善作用などの多様な生理機能を持つと考えられている。

アリシン

にんにくやねぎなどい野菜に含まれている香気成分。 特ににんにくに多く含まれており、疲労回復を助ける働きなどがあるとされている。

ネギオール

ネギの白い茎の部分に含まれており、抗菌作用がある。

喉の痛みがつらい際は、これらの成分を含有した飲食物を摂取するようにしたい。

喉の痛みを悪化させる恐れがある食べ物

一方で、喉が痛む際には避けた方がよい食べ物、いわゆる「喉に悪い飲食物」は「刺激物」だと話す。

「刺激物は唐辛子や辛子、わさび マスタードなどですね。喉の痛みは、炎症が起きているため出現しています。辛い物はさらに喉の炎症を悪化させてしまうため、お勧めできません」

  • わさびはのどの炎症によくない

    わさびはのどの炎症に良くない

喉の痛みを悪化させる恐れがある飲み物

はちみつレモン水やルイボスティーとは逆に、喉が痛いときに摂取を避けたい飲み物もチェックしておこう。

炭酸水

炭酸水は喉の粘膜を刺激してしまうため、イガイガや痛みを増長させてしまう恐れがある。

アルコール

炭酸水同様、喉の粘膜を刺激するのでNG。

カフェイン含む飲料

カフェインを多く含んだ飲み物(コーヒーや紅茶、栄養ドリンクなど)やアルコールは利尿作用があり、水分が体外に出てしまうのでのどの痛みが悪化してしまう。

「炭酸水やアルコールも喉を刺激します。アルコールは少量ならば問題ありませんが、肝臓に大きな負担がかかってしまいます。また、これらの飲み物は利尿作用があり、水分が体外に出てしまうため、喉のかわきも早くなります。結果として喉の痛みを招きやすいのです」

コンビニで買える喉にいい食べ物・飲み物

身近で便利な存在であるコンビニには、喉のケアをできる飲食物が多数販売されている。一例は以下の通り。

  • はちみつ入りドリンク
  • ゆず入りドリンク
  • ハーブティー
  • はちみつ入りのど飴
  • 緑茶

特にゆずやはちみつ入りドリンクは、寒い冬場になるとホットで販売されているケースが大半。あまりにも熱い状態で飲むと喉の粘膜を刺激してしまう恐れがあるため、常温かややぬるい程度の温度で飲むのがよいだろう。

市販ののど飴を購入する際のポイント

コンビニで購入できる喉にいい食べ物の代表格といえばのど飴だ。最後に、喉が痛む際に手軽に活用できるのど飴を選ぶ際のポイントも解説してもらった。

意外と知られていないかもしれないが、のど飴には「医薬品」「医薬部外品」「食品」という3つの区分がある。そのため、購入する製品によって味や成分だけでなく、期待できる効果も違ってくる。

「医薬品ののど飴は成分による効能が認められており、ドラッグストアや薬局でしか購入できません。そして、用法・用量を守ることも必要となります。医薬部外品ののど飴は、医薬品に比べると効き目が穏やかなのが特徴です。食品ののど飴はお菓子に近いため、爽快感を得られて気分転換にもなるでしょう。ひどいのどの痛みには医薬品ののど飴、そうでない場合は医薬部外品や食品から選びましょう」

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