――この半年間で、ご自身にとってターニングポイントとなった出来事はありますか?

現時点ですと、第7話「いつも助けられて」で初めて初美花のメイン回をやらせていただいたときがそうだったかもしれません。このときはもう本当にしんどくて……。単純に、慣れないスケジュールをこなさないといけないという大変さもありましたが、今までなら魁利と透真がそばにいてくれたのに、この回は1人で戦わなければいけなくて、1人でいるシーンが本当に多かった時期だったのが精神的にこたえました。この回はパイロット(第1、2話)を撮ってくださった杉原(輝昭)監督だったので、改めて監督と一対一でいろんなお話をしながら作り上げていきました。

杉原監督は、私の寂しさを癒すかのようにずっと近くにいてくれて、それがとても心強かったんです。何か声をかけてくれるというのではなく、とにかくそばにいてくれて。第7話の撮影終わりで軽く打ち上げ会があり、そのときに杉原監督から「今年の6人が何よりも大きくなり、売れてほしい」とおっしゃってくれたのが、すごくうれしくて……。杉原監督にとっては初のメイン監督作品ですし、初めて劇場版の監督もされるということなので、監督自身も『ルパパト』に対して思い入れが深いと思うんですよ。その気持ちは私たちキャストも同じですから、そういう思いをお互いに感じあえてうれしかったという意味で、このときがひとつのきっかけになったと思います。後でスタッフさん伝いに「杉原監督、あの話(第7話)褒めてたよ」と聞かされたのもうれしかったなあ……。

――『ルパパト』で工藤さんは毎回、快盗コスチュームで華麗なアクションをこなされていますが、アイドル時代のダンス経験がアクションシーンに生かされているのではないですか?

それが、そうでもないんですよ(笑)。ルパンイエローに変身した後も、変身前の初美花もヒールをはいていて、その状態で立ち回りをするというのが杉原監督のこだわりだったんです。スタイリッシュでスマートな「快盗」というキャラクターを生かす意味でヒールを用いているので、私としてはアクションする上でもヒールを絶対に脱ぎたくないと思っているんです。これは私の、小さなプライドでもあります。このアクションだとヒールでは動きにくいから、低いカカトの靴に履き替えたら?と言われることもありますけれど、そこはかたくなに「大丈夫です!」ってヒールで通したりしているんです。

でも、そのためにどうしてもバランスが取れないときがあったり、苦労する場面も多いんですけれど、でもヒールでまわし蹴りをするとか、女の子だからこそカッコ良く見えるアクションがあると思うんですよね。蹴ったときにスカートがひるがえったりして。そんな中で難しいと思うのは、カッコいい見せ方と、複雑な立ち回りの動きをリンクさせる作業です。しかもスピードが速いですしね。

ギャングラーを演じられているJAEの方々はプロなので、こちらは何も気にせずに戦うことができるんですけれど、敵はでっかいですし、ボディも厚みがすごいし、やっぱり人間じゃない相手と戦う大変さは大きいですね。毎回、苦労していることは本当に多いです。

――そんな中で、ここの場面はうまくいった!という会心のアクションがあったら教えてください。

初のダブルヒロイン回・第13話「最高で最低な休日」です。つかさと初美花が鎖でつながれたままアクションをしたのですが、そこの一連は気に入っていますね。『ルパパト』のキャストはみんな運動神経がよくて、すごくアクションができる人ばかりなんです。もちろん奥山かずさちゃんもめちゃめちゃ動けますので、私=初美花としては悔しかったりします。なぜかというと、パトレンジャー側のほうが素面のアクションシーンが多いんですよ。だから2人でいっしょに動くシーンでは、その悔しさをバネにひたすら頑張ってアクションしました。このシーンでようやくアクションの楽しさを感じることができて、一皮むけたかな、という印象があります。

――劇中では、快盗の3人がビルの屋上に立って、さっそうと現れるシーンが多いですよね。

高いところから姿を現して、ワイヤーワークでシュッと地上に降りていくところですね。そういったシーンのように、自分の身体を吊られる機会は多いんです。

――ルパンレンジャーが快盗として出没するときの衣装は、3人ともとてもファッショナブルですね。

これって、3着くらい試作を重ねて決定した衣装なんです。魁利と透真の衣装は生地に柄が入ってるんですけれど、初美花のはそうではなくレースとかを使いたい、みたいな。派手なイメージにしたい一方で、2人と並んで浮きたくないのでシックさも保ちたいという、細かいこだわりの末にたどり着いたものなんです。だから生地感とかは大事で、これから暑くなってもこの衣装を変化させることは不可能で……。私は汗っかきなほうなのでこれからの撮影が心配ではありますが、「いま工藤の汗待ちです」という風にならないよう、暑さ対策をしながら頑張りたいです。これからの放送で、私が平然とした顔で演技をしていたら、首から下は汗だくなんだなと思ってください(笑)。

――パトレンジャーに素顔を見せられない都合上、快盗のときは仮面をつけての登場シーンが多いですが、あの仮面の状態でアクションをするのは大変なのでしょうね。

最初のときは視界がめちゃめちゃ狭くて、ものすごく動きの妨げになっていて、今だから言えますが本当に"仮面ストレス"があったんですよ。そもそも仮面が大きくて、顔が隠れちゃうでしょうって。顔を映してほしいんだけどなあと思いました(笑)。でも最近は「仮面、似合うね」と言われることもあり、だんだんとモノにすることができたのかな、と思ってうれしかったりします。

――ルパンイエローに「快盗チェンジ」する際、一瞬だけ初美花が「笑顔」を浮かべるあたり、短い一瞬ですがすごく魅力的ですね。

そこも杉原監督のこだわりなんです。顔がアップになったとき「初美花、笑え!」って言われて(笑)。ああいうところ、今までの「スーパー戦隊」と違うルパンレンジャーの余裕みたいなところを見せていますよね。初美花は可愛らしいという部分も大事なんですけれど、やはり快盗をやっているときは「小悪魔」的要素も大切にしていますから。

――変身後のルパンイエローはJAEの下園愛弓さんがスーツアクションを務めていらっしゃいますが、そこに工藤さんの声を入れる、いわゆるアフレコについてはいかがですか?

初めての経験で、最初のころは大変でした! やっていて「これ、終わらないな……」なんて思ったくらい、何回やってもできなくて。何度も繰り返しやっていると、「ゲシュタルト崩壊」じゃないんですけど、画面を観ていてどれがどのキャラクターなのかがわからなくなってきますし、何が正解で何が不正解なのかもわからなくて、本当に苦労しました。

でも、初美花って得なキャラクターで、戦闘中のかけ声をどんな風に言ってもけっこう大丈夫なんですよ。「ヤー!」とか「ハッ!」とか以外にも「おりゃー」とか「とぉー」とか、自由に言ってました(笑)。自分ではどうしても違う方の動きに自分の声を入れることに違和感があったのですが、最近になって「アフレコ上手いですね」なんて褒めてもらえたりすると、素直に「やったあ」と喜んだりします。そんなことがあって自信がついたのか、アフレコもどこでどんなセリフを入れればいいのか、スムーズにシミュレーションができるようになっていきました。