3月に編集者・ライターの村上謙三久氏が発売した著書『深夜のラジオっ子 ――リスナー・ハガキ職人・構成作家』(筑摩書房)。この本は藤井青銅や石川昭人など、深夜ラジオの構成作家のインタビューをもとに、裏側を語り尽くすという内容だ。

『深夜のラジオっ子』

『深夜のラジオっ子』

発売以降、ラジオリスナーを中心に反響を呼び、増刷に。深夜ラジオといえば、お笑い芸人やアーティストが中心というイメージがあるが、声優とも関わりが深く、この度、本書を呼んだ声優から感想が寄せられている。

『ラブライブ!』の矢澤にこ役などで知られる徳井青空は「ハガキ職人が番組に出演したり、構成作家なったり、深夜ラジオの裏側に「へぇ~!!(ニヤニヤ)」がとまらない!」とコメントしている。

また自身もインターネットラジオ番組『鷲崎健のヨルナイト×ヨルナイト』(超!A&G+・ニコニコ生放送で配信)に出演している青木佑磨は、「深夜ラジオの歴史書であり、ラジオに人生を曲げられた先輩たちの物語。読んだ自分の人生もまた少し曲がりそうです」と話した。

黎明期の深夜ラジオをけん引していたのが『野沢那智・白石冬美のパックインミュージック』(TBSラジオ・67年~82年)であり、その後も日高のり子、神谷明、冨永みーななどといった声優が深夜の生放送を担当してきた。

90年代後半以降は、声優ブームに乗って声優のラジオは急増。今や声優ラジオの専門局が多数生まれ、全体で年間300~400番組も展開されている。現在、ブームをけん引しているのは文化放送であり、深夜ラジオのパーソナリティに声優を定期的に起用している。15年からは月~木曜日すべてを男性声優が担当する深夜ラジオ番組『ユニゾン!』がスタート。今年4月からは『ユニゾン!~ジェネレーション~』にリニューアルし、若手男性声優が担当中だ。

また、『深夜のラジオっ子』には、伊福部崇、大村綾人、長田宏といった声優のラジオに深く関わる構成作家が登場し、様々なエピソードを披露している。