公開初日を迎えた映画『猫は抱くもの』の舞台あいさつが23日、都内で行われ、主演の沢尻エリカが、吉沢亮、峯田和伸、コムアイ(水曜日のカンパネラ)、犬童一心監督とともに登場した。

左から、沢尻エリカ、犬童一心監督

アイドルという夢を諦めきれないアラサー女性を演じた沢尻は「30代の女性って仕事やプライベートについて考えることや悩むことがたくさんある時期だと思います。だから共感するところが多くて、わりと自然体で演じられました」と振り返った。沢尻が演じる沙織を見守る猫の良男を演じた吉沢は「本当に素敵な女優さんでしたね。飼い主とペットという距離感を人間同士でやると、恋人よりも距離感が近いんですが、僕が猫なので僕から近づくことが多く、嫌がられたらどうしようという不安もありました」としながらも「沢尻さんが受け入れてくださり、僕を見ている目がペットを見ている目だったので、沢尻さんにすごく甘えっ放しでしたね」と話し、キャットフードを模したクッキーを吉沢が食べている時にNGを出してしまったという沢尻は「本当に申し訳ないことをしてしまいました。全然嫌な顔をしないでまた食べてくれて、なんて素敵なんだろうと思いましたね」と吉沢に感謝した。

犬童監督が翌日に58歳の誕生日を迎えるということで、舞台あいさつの最後には関係者から犬童監督に、猫を模したバースデーケーキが贈呈された。その犬童監督から久しぶりの主演映画ということで自身が2週間かけて書き記したという手紙を目の前で読まれた沢尻は「うれしいです。本当に今回は現場で手作りという感じで、いい現場でした。スタッフさんやキャストのみんなもそうだし、本当に良い現場で、芝居ってやるだけでなくみんなで作っていくものだと改めて感じました。いい時間を監督と過ごさせていただき、自分の役者人生の中で大切な作品になりました」と話して涙ぐむ場面も。

そんな沢尻に犬童監督が「もっといっぱい映画に出て下さい」とエールを送り、峯田も「主演なさった女優さんって『私女優だから』という人がいるけど、沢尻さんは『私は俳優部の一員です』という姿勢で感動しました」と称賛。その言葉に本作で映画初出演となったコムアイが「他は違うんですか?」と疑問を言葉にすると、慌てた犬童監督が「そんなことはないですよ」と否定して会場の笑いを誘っていた。

沢尻エリカの主演作となる本作は、大山淳子の同名小説を犬童監督が映画化。かつてはアイドルグループ「サニーズ」のメンバーとして芸能界で活動していたが、今は地方都市のスーパーマーケットで働く33歳の沙織(沢尻)と、自分を彼女の恋人だと信じて疑わない猫・良男(吉沢亮)の関係を描く。