ドライブマッチングアプリ「CREW(クルー)」を運営するAzitはこのほど、ヨロン島観光協会と協同し、観光客ピーク時の公共交通機関不足が課題となっている鹿児島県・与論島内で新たな移動手段を提供する実証実験を8月より開始することを発表した。

  • 大潮の干潮時にのみ姿を現すという“幻の白い砂浜”「百合ヶ浜」を目当てに与論島へ訪れる人も多数

鹿児島県大島郡与論町の観光産業振興策によって守られているリーフ(サンゴ礁)に、エメラルドグリーンの美しい海が広がる与論島。観光客の数は年々増加しており、2016年は5万5,464人、2017年には7万3,204人を記録しているという。しかしながら、公共交通機関はバス1路線に加えてタクシー8台のみとなっており、観光客の移動需要を満たすことが難しい状況に置かれている。

そこで、住民が自ら島内での送迎の足をつくる“新しい形態での移動インフラの整備”として、互助モビリティプラットフォームを活用する今回の実証実験を行うことに。自家用車を持つ与論町の住民がドライブマッチングアプリ「CREW」のドライバーとして登録し、観光客の送迎手段を補完するというわけだ。

  • 実証実験で活用されるドライブマッチングアプリ「CREW」画面イメージ

観光客が「CREW」を与論島エリアで起動し、近くのドライバーとマッチングができた場合には、互助モビリティによって移動することが可能に。観光客は、実費(ガソリン代)をドライバーに対して支払い、手数料などをAzit側に支払うという形となる。ドライバーは一定の基準を満たした与論島の住民が登録されているとのことで、8月から実証実験を開始した後、9月以降を目処に本格始動する予定だ。