多彩なパワートレイン、2Lターボが好印象

パワーユニットは3種類。2代目から受け継がれてきた6気筒ガソリンエンジンが消え、レクサスの「LC」や「LS」に積まれているものと基本的に同じ3.5LのV型6気筒ハイブリッド、「カムリ」にも積まれる2.5L直列4気筒ハイブリッド、現行型の途中で追加した2Lガソリンターボエンジンとなる。

試乗したコースは、アップダウンとコーナーが連続する、クラウンとしてはハードなもの。よって、販売の主力になりそうな2.5Lハイブリッドは、登り坂での4気筒の唸りが耳に届きがちだった。その点、3.5Lハイブリッドは6気筒だけあって滑らか。ただし、こちらはコーナーで前の重さが気になった。

動画提供:トヨタ自動車

ということで、個人的なお気に入りは2Lターボのガソリン車。これも4気筒だが高回転までスムーズに回り、力も十分で、良い意味でクラウンらしからぬリズミカルな走りが上質感とともに堪能できた。

最大のウリは何か

シャシーはひと足先にモデルチェンジしたレクサスLS用をベースに幅を狭めたもので、トヨタの縦置きエンジンでは初のTNGAプラットフォームとなる。

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正確でシャープなステアリングを狙ったという言葉は、すべての試乗車で体感できた。途中で乗り換えた現行型のおっとり感に驚くほどだった。もうひとつの目標として掲げていた、あらゆる速度域で目線が動かない乗り心地は、RSはややゴツゴツ感があったものの、標準型はクラウンらしいまろやかさと2018年のセダンらしい安定感が同居していた。

安全装備ではトヨタセーフティセンスの第2世代を標準装備し、駐車場では壁だけでなく歩行者や他車も感知して自動ブレーキなどが作動するパーキングブレーキサポートも搭載した。でも、新型の最大のウリは6ライトによるエレガントなフォルムだと思う。このフォルムで新たなユーザーを惹きつけられるかに注目したい。