「クラウン」で初めて採用した「6ライト」
なによりも、クラウンの歴史上初めて、前後ドアとリアウインドーの間にも窓がある「6ライト」を採用したことが大きい。真横から見ると、リアまでほぼ水平にすっと伸びたキャラクターラインの上に、ゆったりした弧を描くルーフラインが重なって、かなりエレガントになったという印象だ。
現行型で話題になった大きなフロントグリルは上下に薄くなり、シャープになったヘッドランプとの一体感が増した印象。リアコンビランプがこのヘッドランプと同じモチーフになっていることも気付いた。欧州車ではおなじみのデザインテクニックで、クルマ全体としての統一感が高まった。
ただし、ボディサイズは意外にも全長が少し伸びただけで、全幅は従来どおり1,800mmとしている。小回り性能を示す最小回転半径は5.3mでプリウスと同等だ。この点では日本の道と日本のユーザーのことを大事に考えていた。
高級セダンとして作りこんだインテリア
インテリアはまず、アクセスからこだわったという。ドアハンドルは日本人の体格でも握り心地の良い形状と角度に仕立て、重厚感のあるドアの閉まり音を表現するため低音を増幅し、高音を抑える構造にしたそうだ。
インパネは低く、クラウンとしてはかなり開放的だ。ドアトリムとのつながりも重視しており、包まれ感もある。スイッチが整理されているのも気付いた点で、センターの上下2段のディスプレイは見やすかった。
センターのエアコンのルーバーが左右に首を振る、クラウンらしい仕掛けは健在。カップホルダーは使わないときはリッドがせり上がる凝った作りで、1.9秒という作動時間も実験を繰り返して決めたという。しかもリッドには滑り止め加工が施してあり、片手でキャップを開け閉めできる。日本製高級車ならではのおもてなしだ。
センターのエアコンは首振り機能つき
インテリアのカラーコーディネートが豊富に用意されていることにも感心した。エクステリアを含め、色で楽しめるクルマになりそうだ。後席は身長170cmの筆者であればゆったり過ごせる。スロープしたルーフラインで懸念された頭上空間も問題なかった。