京阪電気鉄道は15日、今年度の鉄道事業設備投資計画について発表した。2018年度は運転保安度の維持・向上やサービス向上などを目的に総額約108億円の鉄道設備投資を行う。車両新造・リニューアルも行い、7両編成の13000系を新たに2編成導入する。

  • 京阪電気鉄道13000系。2018年度は7両編成を2編成導入する

13000系は京阪線の既存車両2200系・2600系の代替用として新造された車両で、環境への配慮やバリアフリー対応、安全性向上に主眼を置いて開発されたという。2012年度に4両編成、2014年度に7両編成の営業運転が始まり、昨年度までに12編成(4両編成×7編成、7両編成×5編成)導入された。2018年度は新たに7両編成の13000系を2編成導入する予定となり、今年度中に4両編成・7両編成が7編成ずつ、計77両を保有することになる。

車両リニューアルは導入から30年経過した6000系で実施。2013年度以降、車いすスペースや液晶型車内案内表示器の設置をはじめとするバリアフリー対応、内装材の取替えや座席の更新など車内の刷新を進めており、これまでに4編成32両をリニューアルした。2018年度は2編成16両のリニューアルを予定している。京阪線では8000系・3000系で導入済みの多言語放送に関して、今年度中に全車両への導入をめざすとしている。

駅施設等のリニューアルも行われる。北浜駅では昨年度に続き、バリアフリー化への対応として駅構内にエレベーターを設置(2018年10月から使用開始予定)するとともに、駅コンコースもリニューアルする。北浜駅・京橋駅(中央)では駅トイレのリニューアルも行う。枚方市駅では「いつも使いたい、一度は行ってみたい駅」コンセプトに、「無印良品」を展開する良品計画をパートナーにリニューアル工事を進めており、今年12月頃に中央口改札内外コンコースの竣工を予定している。

  • リニューアル後の6000系の車内

  • リニューアル後の枚方市駅(イメージ)

  • リニューアル後の駅トイレ(伏見稲荷駅)

運転保安度の向上を目的にATS(多情報連続式自動列車停止装置)の導入も進め、すでに使用されている淀~出町柳間・中書島~宇治間に加え、今年8月には枚方市~淀間・枚方市~私市間へと使用範囲を拡大。2020年度中に京阪線全線へ導入予定となっている。その他、守口変電所の移転更新(2020年度中に竣工)や耐震補強工事、サービス向上を目的とした駅放送の多言語化や観光総合案内板の設置などにも取り組む。